釣りの衣類  デクーン 透湿ウェーダー(チェストハイ・タイプ)

 ハミルトンの釣具店で、某ブランドの透湿防水素材製チェストハイウェーダーを買ったところ、その生地のかぎ裂き・トゲに対する弱さには閉口した。新品なのに、藪を一度通り過ぎたらポツポツに穴が空き、ひどいところでは幅数センチが裂けていたのである。そのいきさつを、メールマガジンでお世話になっているデクーンの奥村さんにメールしたところ、なんと日本からわざわざ送ってくださったのがこのウェーダーである。

 ニュージーランドには、ブラックベリーという非常に凶悪なトゲを有する植物があり、川岸にはたいてい生えているのだが、そのトゲは本当に強く、かつ鋭くて、ウェーダー泣かせなのである。私の最初のニュージーランド釣行時に、鈴木寿さんがアドバイスしてくれたのも、この植物のトゲには気を付けなさいということだった。

 が、しかし。このウェーダーは、膝から下が強力な420デニール・ナイロン素材でできており、あのブラックベリーの藪を歩いたくらいではびくともしないのである。すべて透湿性素材で出来たウェーダーと較べると、その安心感はまことにありがたい。また、透湿素材と420デニールとの分担比率が絶妙である。

 さらに、膝が丈夫ということは、自分の活動をかなりアクティブにしてくれる。ランディングの後で魚の写真を撮る時に、ウェーダーの損傷を気にしなくてもよくなったのである。これだけ420デニール・ナイロンが強力なことを知ると、座ったときにも丈夫なように尻の部分もこの素材にしたらどうかと思ったりするが、それはやり過ぎだろうか。

 この分厚い420デニール・ナイロンは防寒の点でも優れており、ポリプロピレンのタイツとフリースのズボンを下に履けば、真冬のトンガリロに立ち込んでもそれほど寒さは感じなかった。加えて、上半分が透湿性のエントラントG2製であるので、長い距離を歩いても汗で内部が蒸れることはない。この見事な素材のコンビネーションは珍しいこともあり、さきのトンガリロ釣行では、同行したハミルトンアングラーズクラブのメンバーから、それはどこのメーカーのウェーダーかと、相次いで質問を受けたものである。

 ブーツタイプのウェーダーを使うのは初めてであったのだが、ウェーディングシューズ+ソックスタイプウェーダーと較べ、メンテナンスが簡単なことにも驚かされた。

 胸部に付いた大型のポケット、肩ベルト端部に付いたホック、踵のキックオフ形状など、行き届いた心遣いのデザインとも相まって、本当に使いやすいウェーダーとなっている。今度は、ぜひ、このデザインでソックスタイプのウェーダーも製作して欲しいと思う。

 奥村さん、本当にありがとうございました。これからも大切に使わせていただきます。


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