留学日誌

2000年1月 新しい千年紀の幕開け

1/01(SAT)

 朝は8時に起きた。日本の元旦のひしひしと寒い厳粛さは無いが、それでも新年は新年である。しかし、正月休みの印象は、天候で言うとゴールデンウィークの心境である。

 特に何ということもなく、世界各国のミレニアムカウントダウンの生中継を見て、「ああ、地球は丸いんだな」と実感する。NZの夜10時くらいになって、ようやくカナダでは新年の午前零時を迎えるのである。

 ~地球のうーえに朝がくるゥ~

 こののち、2日から5日までは何ということなく過ぎた。4日に浜に釣りに行って風に当たったのでちょっと夏風邪を引く。

 昨年の暮れからジョーさんが、ざるそばを作ってくれるので、台湾食材店で購入した韓国産蕎麦めんの各ブランド味試しに励む。どれもおいしい。母国明星食品製の蕎麦も日本食材店で買えるがあまりおいしくない。

1/06(THU)

 朝から起きて(当たり前だ)ホームページの原稿に使う画像の整理に励む。昼にはジョーさんが

「ざるそばにする?」

 と聞いてくれたが、さすがに連日の蕎麦攻勢にはやや疲れを覚え、トーストにしてもらう。

 午後も原稿書き。やや疲れたが、写真集のページが完成した。後はコメントをつけるのみ。

 午後に、手紙が三通届いた。増山たづ子おばさんからも封書が届いた。元気そうでなりよりである。

1/07(FRI)

 まさにフライデーであった。朝から釣りに行き、一日浜で過ごす。シンキングラインを目一杯沈めてからマラブーをリトリーブして鯛を7尾。しかし手のひらサイズ。ま、鯛はタイ。よかよか。

 父に電話。一杯入っていたのかいつまでも話し続け、いささか電話代が気になる。(笑) ま、親不幸者であるのでしかたがない。

1/08(SAT)

 昨日の鯛に味を占めて、再びレディースベイへ。朝、バスの時刻を勘違いして始発の1時間も前にバス停で待っていた。ふと気づいて慌ててルートを変更し、ダウンタウン経由で浜へ。

 マオリのおじさんの目前で手のひらほどの鯛を3尾釣っていい気になっていたら、おもむろに50cm級を釣り上げられて粉砕された。

 午後は気力体力が尽きて浜で昼ネ。ああ気持ちよかった。

1/09(SUN)

 前日、一昨日の疲れがどっと出て眠りこける。 夜、ポール・サイモンのドキュメンタリーを見る。もう60近い彼の、相変わらずの美声を聞いて感心する。「天職」とは、ああいうことかと思う。アメリカズカップは、日本艇の順位は4位。セミファイナル後半での奮闘を期待する。

 深夜、台湾から帰国するコニー嬢を迎えにジョーさんと空港まで行く。空港ではいろんな人々の演ずる「再会」があり、ちょっと映画かCMのようで感動した。ああ、私もあと1月足らずでオークランドを後にするのだ。長いようで短い9ヶ月であった。

1/10(MON)

 なんと150名以上の新しい学生を迎える学校はちょっとしたパニックであった。午前はアドバンス、午後はムービーのコースとなり、先生の早口の説明とクラスメートの速射砲のような会話にたじたじとなるが負けずに付いて行かなくてはならない。

 クラスメートは、スイス、オーストリア、ブラジル、アルゼンチン、韓国、などからの若者たちである。けれど、みんなとても「しっかり」していて、ちゃんと自分の意見をきちんと言えるのが偉いと思う。同年代の日本の若者と思うととても自立している印象を受ける。もっとも私も同年代のガイジンと比べれば、まったく子供じみて見えるだろうが。

 やや疲れたが、帰宅してまだ明るいうちの夕食を摂り、食後のテレビドラマ「That's'70Sshow」を見て大笑いした。

1/11(TUE)

 午前のクラスは美貌で有名な先生のクラスとなった。秋頃に聞いた噂では、まだ若い彼女はかなり苦労して授業を進めているという話であったが、なんのなんのもはや歴戦の強者と変貌しており、辞書を使いたがる生徒をビシピシと叱咤しつつペース良くトピックをこなしていった。うう、侮り難し....(笑)

 このところ、まとまった英文を書いていなかったので、確実にライティング能力が落ちていることに気づかされた。うーん、やはりたゆまぬ努力が大切である。

 午後は、ラブストーリー、西部劇、スリラーを代表する三本、タイタニック、リオ・ブラボー、羊たちの沈黙を10分程度見て、それぞれのジャンルの映画に共通する特色、題材、ディテールをグループで論議した。

 みんな若いがよく新旧の映画を見ていて感心した。以前、ダウンタウンの古本屋で10ドルで買った名作映画集のペーパーバックに、上記の映画のうち、タイタニックを除く2作が収録されていたので嬉しかった。また、25ドルで買ったニュージーランド百科事典に載っていたNZ映画についての記述をサラ先生に見せると、

「これは授業に役に立つわ」

 と言っていた。

 家は借りて住め、本は買って読め。

との諺があるが、良い本は長い間本当に役に立つので、無駄遣いはできないな、と改めて思う。

 余談ではあるが、A国に住み着いた人物が、A国人以上にA国人らしくなることを「ラフカディオ・ハーン」症候群というそうだが、この手の本を読むと、NZの人よりもNZのことに詳しくなりそうである。

 夜、ホームページに載せるべく、ジョーさんにいろいろな昔話を聞かせてもらった。テープに録って日本語に書き起こし、補足を加えてからHPに連載するのが楽しみである。ジョーさんも話している途中でいろいろと思い出すのか、話が弾んだ。酔った父の駄ボラ話が思い出された。

1/12(WED)

 午前、午後とも先生方のエンジンが掛かり、宿題も出されて忙しい学校生活が始まった。

 午前の「ジェネラル・アドバンスド」クラスの面々は、以下の通り

フィオナ先生(英):美貌、極めて厳しい授業を進めることで有名

ミュリエル嬢(ニューカレドニア):母国では英語の先生、さらなる向上のため短期の留学中、運動が得意、3カ国語+日本語を少々!!

モーリッツ君(ドイツ):面長でシューマッハー似?、医学を専攻

ミッシェル嬢(スイス):スキーとアウトドアが好きな元気娘

ソン・ミー嬢(韓国):アジア的な面立ちが美しい彼女は一児の母

カチャ嬢(ニューカレドニア):英語の先生になるべく勉強中、母国では片道3時間をかけバスで通学の頑張りやさん!

ヨン・ミン君(韓国):釣り好きだという活発な男の子

セイコ嬢(日本):一見大人しいが、しっかりしたお嬢さん

ゴウ(日本):何事に付け気力・知力・体力の衰えを感ずる37歳(笑)

 午後の「ムービー」クラスの面々は、以下の通り

サラ先生(NZ):文句無く映画に出られる美貌、しかしひょうきん。実に映画をよく見ている。

ミッシェル嬢(スイス):午前も同じクラス

アレキサンドラ嬢(同):まだ若いがお医者さんである

ジョアンナ嬢(ブラジル):なんと17歳、クリクリの瞳をしている

ムー・イー君(韓国):とても落ち着いている若者、すこしシャイ

ハリアー君(ブラジル):若くハンサム、アイルトン・セナを思わせる

アウグスティナ嬢(同):17歳だが声がハスキーで大人びている

レティシア嬢(同):映画にとても詳しい、クイズで常に高得点をとる

カシャ嬢(スイス):一見無口そうだが実に話し好きで面白い

ヨン・ミン君(韓国):午前も同じクラス

ブライアン君(韓国):こちらもハンサムな好青年、実に友好的

ゴウ(日本):映画に関して話すとすこし年代が他とズレ気味(笑)

 ということで、クラスメートとの年代のズレと年齢とを日々痛感させられつつ学窓に食らいついて行くのであった。

1/13(THU)

 今日は家に帰ると大学から封筒が届いていた。

 まずは合格の知らせに一安心した。どっと疲れが出た。父に吉報を報告し、メールを皆さんに送信して眠る。

1/14(FRI)

 今日は学校で新学期当初のバーベキューパーティーがあった。学校創設以来という大人数となったこの1月は、中庭に学生が溢れている。

 ソーセージ、サラダ、ワイン!!、パン、などで楽しく学生と先生とが交流している。ワインが出されるところがスゴイと思う。空きっ腹に二杯のんだらへべれけとなった。

 その後、スイスから来ているウルス君とミッションベイのヨットクラブ前へ釣りに行く。ちょっと振ったけど何も当たらず、マオリの屈強なおじさんたち(私より若いかも知れない....)の超遠投による鯛釣りを見学する。

 その後、オークランドのコートダジュールと呼ばれている(本当か?)ミッションベイの浜辺で人々の海水浴を見学する。

 さらに、セントヘリアーズへ行くつもりがバスを間違え、静かな住宅地を見学し、なんとかバスターミナルにたどり着き、バスを乗り換えて再度セントヘリアーズへ。パラグライダーの静かな飛行を見学。今日は見学ばかりの一日であった。

1/15(SAT)

 今日は故国では成人式! と思いきや、法改正で成人の日は1/10に変更されたとのこと。ううう。ウラシマった。

 午後、買い物に行って、75%オフというカレンダーを数種買い込む。老子の道教の名句を集めたカレンダー、禅宗の名句・警句を集めた日めくりカレンダー、釣りの名文句とコツを集めたデスクトップカレンダーを購入。しめて17.5ドル。約1000円だった。

 夜は、シガニーウィーバーの「愛は霧の彼方に」をテレビで見る。

1/16(SUN)

 遅寝、遅起きとなり、昼までベッドに溶けていた。

 大学への提出書類を作成し、月曜に学費を振り込む支度をする。外国人留学生が払う年間の授業料は16,500ドル。約90万円。うう。

1/17(MON)

 午前中の2限目の授業を休み、移民局へビザの問い合わせ、銀行で学費の振り込み、定期預金の問い合わせ、証明写真の撮影、など事務処理にかけずり回る。大学からの確認書類が出来て移民局へ行けるのはおそらく来週であろう。ビザの発給が間に合うだろうか?不安。

 しかし、定期預金は1年ものの金利が6.1~6.5%であり、多いに嬉しくなった。日本の銀行は○○である。

 夜、通算でどのくらい生活費がかかったかを集計したら、本を9万円近く買ったことに気づき愕然とする。まぁ、投資ということで。

 ヒマがあると本屋か古本屋に行っていたからなぁ。

 自分のホームページに、ニューカレドニアに住むフランス人の釣り人から電子メールが来た。相互リンクをお願いしたいとのこと。

 世界は広いなぁ。釣りバカが大勢いるなぁ。(笑)

 大阪の自動車輸出業者にファックスで自分の旧い自動車をニュージーランドに輸入したらどのくらいかかるかを見積もってもらう。

1/18(TUE)

 昨年ウェリントンでばったり会った新潟出身のM嬢がふらりとオークランドに来たので夕食を共にする。明日からグレートバリア島へ行くとのこと。

 銀行各社の金利を調査。明日は一社に決めて預金を開始する。

1/20(THU)

 昼は不思議な日本人4人組で楽しいランチ。午後の授業は今日が最後なのでみんなで写真を写してもらう。 

 帰宅途中にニューマーケットの日産部品センターで、89年式パルサーの部品が入手できるか確認する。

 暑い暑いオークランドの夏の一日であった。

 明日はいよいよ語学学校の最終日である。

 インターネットのニュースで牧羊子さんが亡くなられたことを知る。合掌。

1/21(FRI)

 午前の授業もあっという間に終わり、カフェで修了証書をいただく。ダレン先生と写真を写してもらう。大勢の学生が卒業していった。台湾のコニー嬢、カレン嬢と別れを惜しむ。

 帰途、上村さんと古書店巡りをして、喫茶店で長話をする。

 帰宅後、ホームページの原稿書き。

1/22(SAT)

 早起きは三文の得、のたとえどおり、早朝からバスで浜にゆき、手のひらほどの鯛を4尾釣った。

 10時を過ぎると多数のヌーディストやら怪しい中年男性同士のカップル数組が現れて近くで遊泳を始めたのでほうほうのていで退散する。

 オークランドの夏は、日差しは強いが風が冷たく、しごく快適である。ここで過ごすのもあと10日あまりとなった。

 歳月人を待たず。

1/23(SUN)

 朝からホームページの原稿書き。

 リラックスした一日であった。夕食後、ジェレミーさんの家に行って、お茶をいただく。今日は彼の誕生日。釣りの本とコンピューターに関連した風刺漫画の本をプレゼント。

1/24(MON)

 早朝から釣りに行くつもりが強風で断念。事務的仕事を片づけて昼から学校へ。

 ポリーン先生にお祝いのカレンダーを送る。彼女はこの2月に結婚するのだ。苦労が多かったであろう彼女の未来に幸あらん事を願う。同い年である私の未来の明るいことも、ついでに願う。(笑)

 大学の書店でNZ版環境白書を売っていたので購入。昨年から探していたのだ。

 銀行で預金の準備などをして、床屋の予約をして、暑い暑いオークランドの午後を歩いて家に帰る。ばったりとベッドで昼寝。

  よく考えたらオークランドの生活もあと1週間である。

1/25(TUE)

 午前中に大学から学費振り込みの領収書が届いた。これでビザ申請に必要な書類はすべて整った。午後移民局へ行ったものの、すでに今日の事務処理能力を超過した人々で溢れており、明日来て下さいと言われた。

 今週中に発給してもらえないと、日本に帰ってから東京のNZ大使館に申請しなければならず、手間とお金と時間がかかるのである。最悪の場合、大学の授業開始に間に合わなくなるかも知れないのでとても心配である。

1/26(WED)

 早朝からダウンタウンのイミグレーションセンターへ行く。今日はビザを発行してもらうのだ。始業40分前にもかかわらず、玄関の前には大勢の人が書類申請のために列を作っていたので驚く。

 うすぐらい曇天の下、ビザ発給を待つ列に並んでいると、シンドラーのリストのエキストラになった気分である。深刻さはまったく違うのだが、当時のユダヤの人々にとっては、シンドラー氏や杉原千畝氏がまさに命の恩人だったのである。

 かたや2000年1月のオークランド移民局の係官は体格の良い女性であり、きわめて事務的にパソコンにデータ入力をしたあと、にこっと笑って学生ビザ向こう1年分を発給してくれた。

 やれやれ。肩の荷が下りた。

1/27(THU)

 朝は雨。ホームページの原稿を書き、放課後に南島旅行から帰ってきたベアットと学校で待ち合わせる。野村君と三人でボーダーズの中にあるカフェで歓談。ベアットはスチュウアート島で大きなタラを2尾釣ったそうだ。

 歓談後、ボーダーズの書店で本を買う。

1/28(FRI)

 午後学校に行き、みんなと別れを惜しむ。コニー嬢に招待されて中華料理店でランチをいただく。彼女は今日で学校を終え、旧正月を家族で祝うために台湾に帰るのだ。

 その後図書館に行き、環境関係の本を返し、スポーツツーリズムについての本を一冊借りる。内容もさることながら、表紙写真が素晴らしかったのである。

 ニューマーケットの文房具店で、荷物発送用の段ボール7ヶを買う。23ドルであった。少々高いけどしょうがない。

 帰宅して、新しくハーマン家にホームステイすることになった下田さんを迎える。向学心に燃える活発な女性である。

1/29(SAT)

 電子メールのメーリングリストで知り合ったNZ在住の方々とランチ・お茶を楽しむ。久しぶりに大量の日本語を聞いたので疲れた。

 ダウンタウンにあるダイアンおばさんの土産物店「KOBAK」に行き、夫妻と歓談する。商売はまぁまぁとの事。

  火曜日に日本に帰ると思うと、無性にオークランドの町並みが恋しく思えてきた。日本は寒いぞぉ!

1/30(SUN)

 朝から片づけを始める。本が段ボールに5箱になっていて驚く。

 夕方まで片づけて何とか一段落した。明日の午前中しっかり片づけて、午後はジェレミーさん宅で昼食をごちそうになる予定。

1/31(MON)

 朝から片づけ。全然進まなくて焦る。段ボールが10ヶに増えている! なぜだぁ? 来たときはトランクとデイパックとパソコンバッグ、そして段ボール箱3ヶだったのに。増えた7個はすべて本などである。がちょーん。

 昼はジェレミーさん宅ですてきな昼食をごちそうになる。ルーシーちゃんの言葉が上達していて驚いた。

「ゴウ、コッチキテ!」

などと言われてしまった。 私の英語の上達より速いであろう。(笑)

 帰宅して少し昼ね。さらに片づけに励む。夜になって何とか形になり、安心して寝る。

 明後日は日本だ。


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