留学日誌

IELTSの受験対策(1) はじめに・どのように準備するか?・全般についてのコツ

●はじめに

 1998年頃、私がニュージーランドへの留学について計画を始めた時、一番情報量が少なかったのがIELTS(アイエルツ)の試験についてでした。今、ようやく試験が終わり、結果を受け取ったので、これまでの経験を踏まえて、気が付いたことをまとめておきます。(注:ここにめとめた情報・経験談は、1999年11月時点のものです。今後受験される方は、試験内容の変更があるかも知れませんのでご注意下さい)

 IELTS(International English Language Testing System)は、英語圏の国に住みたい、あるいは学びたいと希望する受験者の英語力、熟達度を判定するための試験です。試験には二つのモジュールがあり、ジェネラル・トレーニング(移住の資格判定用)と、アカデミック(高等教育レベルへの入学資格判定用)とがあります。イギリス、オーストラリア、ニュージーランドの大学に進学したい人は、アカデミックモジュールのテストを受ける必要があります。

 これら二つのモジュールは4つのサブテストに別れており、リスニング、リーディング、ライティング、スピーキングの能力がそれぞれテストされます。このうち、リスニングとスピーキングのテストはジェネラル・アカデミック共通で、リーディングとライティングは、個々の目的に合わせた独自の問題が出題されます。

 サブテストは、1~9点のスコアで判定され、これらを平均したバンドスコア(Overall Band)が最終的な成績となります。大学進学にはおおむね6点以上のバンドスコアが要求されるようです。(各々の大学、志望課程によって異なるので注意)あ  ただし、リスニングとリーディングの判定にはハーフマーク(6.5点、あるいは5.5点など)があるのですが、ライティング、スピーキングの判定は5点、6点というようにハーフマークがありません。

 試験時間は、
   リスニング  (30分:約40問)、
   リーディング (60分:約40問)、
   ライティング (60分:2問)、
   スピーキング (12~15分:4パート)
 で、この順番に行われます。

 私はTOEFLのテストは受けたことがないのですが、IELTSは記述式の問題が多いので、より総合的な英語力が要求されるそうです。ライティングでは合計約400語の英文を書く試験が行われ、また、他のテストでも単純にAとかDの記号を書くだけでなく、実際に単語や短いセンテンスを書く必要があります。また、リスニング、スピーキングのテストは実際のシチュエーションに近い内容が出題されますので生の英語の感覚や日常生活のいろいろな場面に親しんでおくことが大事だと思います。

●IELTS 各サブテストの概要

サブテスト 試験時間 出題数 コメント
リスニング 約30分 約40問  設問を素早く読んで理解する力、長時間にわたり早いスピードの会話、セミナー等の内容を集中して聞き取る力、解答を素早くメモする速記力、が重要
リーディング 60分 約40問  長い文章を短時間で集中して読み、理解する力、文法の知識、語彙の豊富さが重要
ライティング 60分 2題  題材を正確・適切に記述したり、複合した文章を書ける表現力、論理的に文章を展開する構成力、文法の知識、語彙が重要
スピーキング 約12~15分 4パート  実際のシチュエーションにおいて自然かつ流暢に会話を継続できる力、事物を比較したり自分の経験・意見・将来の計画を説明できる表現力、が重要

●どのように準備するか?

●参考書について

 日本でIELTSについて準備する場合、他の英語の資格試験(例えばTOEFL, TOEIC, 英検)などに比べて情報量、参考書の数などが圧倒的に少ないです。(少なくとも98~99年時点では)

 おそらく、唯一の情報源は、札幌、東京、名古屋、京都、大阪、福岡にあるブリティッシュ・カウンシルかと思います。 BCのホームページはこちら http://english.britishcouncil.or.jp/index.html

 IELTSの概要、問題集、リスニング用テープ教材などは上記まで問い合わせれば入手できると思います。

 NZでは、オークランドなど大学のある街の大きな書店であれば、各種の参考書、テープ教材を買うことができます。特に、下記の3冊はぜひお勧めします。オーストラリアの出版社から発行されている参考書は、オーストラリアの書店(出版社)から通信販売で購入できるのではないかと思います。インターネットで検索してみることをお勧めします。

 注:イギリスのインターネット書店、アマゾンなどからでも入手可能な気はしますが、送料がかかります。

How to prepare for IELTS   New Edition
  Ray de Witt 著  The British Council 刊
  ISBN 0-86355-175-0

IELTS Practice Now
  Carol Gibson 他 著  Center for Applied Linguistics University of South Australia 刊
  ISBN 0-86803-142-9  カセットテープ2巻含む

Prepare for IELTS
  Penny Cameron 著
 Insearch Language Centre, University of Technology, Sydny 刊
  ISBN 0-863365-801-7

101 Helpful Hints for IELTS
  By Garry Adams and Tery Peck 著  Adams & Austen Press - Sydney, Australia 刊
  ISBN 0-9587604-0-3

●国内での準備

 国内で受験準備をする場合、前述の参考書、あるいはテープ教材があれば、IELTSのスタイルや出題傾向についてはある程度準備ができると思います。リスニングとリーディングについては、独習でかなり実力をつけることができると思います。また、ライティングについては、他の人に添削してもらわないとなかなか上達しにくいと思いますが、参考書にある模範解答を書き写したり、文法のチェックをきっちり行うことである程度カバーできると思います。

 日本人にとって一番難しいのが、スピーキングの実力を伸ばすことではないかと思います。しかし、このサブテストも、参考書やテープ教材を使うことによりどんな内容のテストであるかがわかれば、かなり独力で学ぶことができると思います。会話の相手になってくれる人がいれば、いっそう良いでしょう。無論、練習相手にネイティブスピーカーの人がいれば、それが一番ですが、かといって大金を積んで日本国内の英会話学校に行くことは無いと思います。

 また、国内各地のブリティッシュカウンシルでも、IELTSの準備コースを開催している所があるようですので、問い合わせてみると良いでしょう。


●語学学校での準備

 IELTSの受験準備のために海外の語学学校へ行く場合には、IELTSの準備コースが設けられている学校を選ぶと良いでしょう。さらに、試験が行われる大学、専門学校のある街(NZでいえば、オークランド、クライストチャーチ、ダニーデン、ハミルトンなど)の語学学校が良いと思います。なぜならば、これらの街であれば、IELTSの参考書なども入手しやすいと思いますし、各大学が開講するIELTSの準備コースも受講できるからです。

●全般についてのコツ

 これからテスト全般を通じてのちょっとしたコツをまとめて整理してみます。具体的なテクニックについてはそれこそ本が何冊も出ていてとても書き切れませんし、前述の参考書を見ていただく方が正確だと思いますので、経験から思ったこと、語学学校や大学の先生が教えてくれたヒントなどを記します。

●設問の形式に親しみ、問題の解説文を素早く正確に読みとる

 どんな試験でもそうだと思いますが、IELTSにも独特の出題形式と出題傾向とがあります。準備にあたっては前述の参考書を入手して、IELTSとはどんなテストか? どんな問題が出されるのか? をよく知った上で、できるだけたくさんの練習問題、模擬テストをこなすことが合格への近道だと思います。

 また、慣れないうちは、数行にわたって書かれている問題の解説文の意味がすでにわからない....という事態も考えられます。経験から言って。(笑)

 ですから、準備の初期段階では、IELTSのテスト全般にわたり、その形式に早く慣れ親しむことが重要です。

●設問で要求されている条件で正確に解答する

 リスニング、リーディングでは、回答欄に答えを書く場合、

   数字、ローマ数字、あるいはアルファベットで答える、

   2語以内の単語で答える、

   3語以内の単語で答える、

 など、様々なパターンがあります。3語以内で答えることが求められている場合にあわてて4語のフレーズで解答してしまうと、それだけで得点を失ってしまいます。設問を注意深く読んで、正しい形式で解答するよう訓練しましょう。試験時間に比して問題数が多いのでとかく慌てがちになりますが、冷静に解答すること。

 講師の先生曰く、

バナナを欲しがっているサルにはバナナを与えること。
キュウリを与えるべからず。

 とのことです。

●キーワード、キーフレーズにはアンダーラインや丸を書き込む

 設問を読むときには漫然と読むのではなく、集中して読みながら、キーワードやキーフレーズにはアンダーラインや丸で囲んだりして、能動的に読むように心がけましょう。これはリスニング、リーディング、ライティングすべてに有効です。

●丁寧で読みやすく、しかも早く書ける書き文字の練習

 IELTSでは、すべての解答は、マークシートを塗りつぶすのではなく、解答用紙に単語や記号、そして文章を自分の手書き文字で書き込まなければなりません。

 これは、読みやすい字が速く書ける人にとっては大きなアドバンテージがあることになります。そして、その反対の人には大変やっかいなことになります。自他共に認める悪筆の私は、丁寧に書けば遅くなり、早く書けば汚くなる!というジレンマに最後まで悩まされました。

 丁寧で読みやすく、しかも早く書く練習は、いくらやってもやりすぎにはなりませんので、日頃から心がけて練習しておきましょう。このためにはきれいな筆記体を書けるようにすることが必須だと思います。


●不安とパニックは最大の敵

 リスニングやリーディングの場合、落ち着いていれば、1分間で数問を解答することも可能ですが、いったんパニックになると問題を見失ったり解答形式を間違えたりして5分かけても一問も正解できないこともあります。

 いきなり難しい会話の録音や難解な文章に出会ったりしても、慌てることなく平常心で問題を解いていきましょう。また、十分準備しておけばそれだけの結果は必ずついてきますので、自信を持つことが重要です。


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