君よ知るや南の国

オークランド近郊の浜辺にて、鯛のフライフィッシング

 皆様、明けましておめでとうございます。今年もよろしく御願いいたします。ニュージーランドはハミルトンからお届けします「君よ知るや南の国」です。皆様の釣り納め、釣り初めはいかがでしたでしょうか?

 ニュージーランドでは、クリスマスが一年の最大のイベントのようで、新年を迎える暮れから正月にかけては、普通の週末のように淡々と過ぎていきました。あいにく雨模様の日が多く、せっかくのホリデーをアウトドアで過ごそうと計画していたのに雨にたたられた人が多かったようです。

 さて、第四回目の今回は、昨年のちょうど今頃、オークランドで楽しんだ鯛のフライフィッシングの様子をご紹介いたします。海でのフライフィッシングは、ニュージーランドでも最近特に人気が出てきており、スナッパー(鯛)、カウワイ、キングフィッシュなど、いろんな魚がターゲットになっています。

 オークランドにある釣具店「Gone Fishin'」のマネージャーであり、ニュージーラン ドフィッシングニュースという人気釣り雑誌のスタッフでもあるPatrick Langevad 氏によれば、

「適切な釣り場を選び、適切なタックルで上手に釣れば、型の良い(30~40cm級)の鯛を一日に十尾以上、フライで釣ることもできる......」

そうです。パトリックさんは船で鯛の好ポイントを探し、少々の撒き餌と重たいシンキングラインを十分沈ませる釣り方で鯛を釣るそうです。

 私も船で釣りに行きたいのは山々なのですが、なにせ学生の身(=資金不足)ではなかなか思うように行かず、バスで行けるいつもの浜辺でとりあえずフライタックルでの釣りを試した次第です。

 フライラインは7番シンキングのタイプ2、リーダーは3Xを1.5m、フライは小魚に似た白いマラブーを結び、カミツブシを2個付けました。なるべく沖合めざしてキャストした後、カウントを20ぐらい数えてなるべく深場にフライを沈めます。

 パトリックさんの話によれば、鯛はかなり底近くにフライを沈めないと難しいそうなので、潮の上手にキャストしてから忘れてしまうくらいカウントダウンして、ラインが下手に流れきってからおもむろにリトリーブを始めます。深場と言ってもせいぜい5~6mぐらいの水深だったと思いますが。ただ、どんな引き方をすれば鯛が釣れるか分からないのでかなり適当にリトリーブをしてみました。(笑)

 本当に鯛が釣れるのかぁ......と疑心暗鬼になりかけていた頃に、コツコツ、コッツンと小さな当たりがあります。うーん???と思っていると、サヨリに似たパイパーという20cmほどの魚が岸辺までフライを追って来るのが見えました。しかし、この魚は口が小さいのでなかなかフックに掛かりません。

 飽きずにキャストしていると、突然小気味よいカッツン!という当たりとともに竿が絞り込まれました。うーん?何だ何だ?と思ってとりあえず合わせをくれて、ラインを手繰り始めると、なかなかどうして、

「 リールでファイトしなければ!」

 と思わせるほど力強く引き込んで行きます。ルアーで釣ったカウワイほどではありませんが、

「ククククーッギュンギューン」

 と華麗に横走りのファイトを見せています。

「ほっほ ーっ!」

 と歓声を上げてリールを巻いてくると、緑色の水底からピンク色の肌と青い斑点も鮮やかに立派な鯛が最後の抵抗を見せて上がってきました。

「うぉーっ! やった! 鯛だ鯛だ!」

鯛だ鯛だ!

 体長20cmあまりとは思えない(笑) 豪快な引きを楽しませてくれたその小鯛は、掌の上でビチビチビチッと跳ねまくり、フックを外してやると一目散に水中へ帰っていきました。何を隠そう鯛を釣ったのは生まれて初めてだったので、感動もひとしおでした。これで40cmぐらいのが釣れたらどんな引きだろう?と期待が膨らみます。

 エビで鯛......というぐらいだから、と、フライを赤っぽい小さなストリーマーに変え、同じ辺りにキャストして同様にリトリーブしてくると、さらにコツン!と反応があり、すかさずの合わせをくれると華麗な躍動が再び始まり、数尾を追加しました。

 が、残念なことに、いずれも体長15~25cmほど。レギュレーションで定められている、キープして良いサイズの27cmまではちょっと足りません。夏場には、小鯛の群れが岸近くまで寄ってくるそうなので、そうした群れに当たったのかもしれません。

 となりでは、地元のおじさんが、ゴツイ投げ竿にイカの切り身の餌で、沖の鯛をめがけて100mほども遠投してアタリを待っていましたが、朝からなんの反応も無いようでした。サイズが小さいことを除けば、1キャスト1フィッシュの「爆釣!」状態だったので、ひたすら忍耐のおじさんを横目に見ながらいささか自慢げに釣り続けました。

 すると、おじさんの竿先がかすかに震え初め、大きなグイッグイッという引き込みになったところでやおら立ち上がったおじさんが豪快な合わせをくれると、ゴツイ投げ竿をギュンギュンと引き絞り、なにか大物が掛かったようです。ゴンゴンと竿を引き込む大物を、負けじと太い腕で竿をこらえ、リールを巻き続けたおじさんの足元に、とうとう桜色の鱗を光らせた見事な鯛、約50cmほどの大物が上がってきました。しっかり上顎に刺さったフックを外し、私の方を向いたそのおじさんは、

「フっ」

と笑いました。完敗でした。(笑)

 と、そんなわけで、条件さえ良ければ、オークランド近郊の浜辺でも、なにがしかのフライフィッシングを楽しめます。秋口には河口近くにカウワイの群れも集まるそうなので、また機会があったらぜひ行ってみようと思っています。

 次回は、ハミルトン近郊のスプリングクリークでのフライフィッシングをご紹介いたします。皆様、風邪など引かぬようお体にお気をつけ下さい。ではまた。


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