釣行日誌 故郷編

1998/07/11 スノーシェッド上より

天候: 朝一時雨、昼間~夕方くもり

04:30~09:30 スノーシェッド上~ウサギ沢出会い まで

 毎度お馴染みとなったカーブに車を止めると朝の4時である。そそくさと朝食をすませ、身支度を終え、林道を歩いて降り口へと向かう。

 河原に降り立つと、轟々と凄い音を立てて本流が流れている。

 週末にかなり雨が降ったらしい。ここまで来たらしょうがないので岸辺のポイントを拾い釣りしていくこととする。

 二股の分岐まで来て、下流に大きな淵が見えたので、川本君と二人、そろそろと忍び寄る。ラインを繰り出してさぁキャストなどと考えていると、突然バシャッ!と流心でライズが起こる。

「??」

「なんだあれ?」

 私には水しぶきしか見えなかったが、川本君は大きな魚影を目撃したとのこと。うーん、サクラマスか大岩魚か?期待は膨らむ。

 色気を出して大きめのストリーマーを3番のロッドで無理して引っ張るが、反応はない。あきらめてマーカー+ニンフの仕掛けに変更してやや上流に移り、巻き返しを探っているとマーカーがピクンと水中に引き込まれる。ヒュッと合わせると心地よい引きと共にそこそこの魚体が引き上がってくる。

 が、しかし! これはウグイなのでした。残念。

 さらに釣り上がると、ザラザラと平瀬の続くポイントに出た。わずかな水流の変化点にしつこくフライを流していくと、川本君のパラシュートに岩魚が出た。中学生サイズの岩魚が無邪気に跳ね回る。釣り終えた川本君が上流へと歩き出すと、さらに足下から同サイズの岩魚が走り出す。うーん、下流部もそこそこ魚影が濃いようである。

 ザラ瀬の中央に石が突き出し、その背面に水流がグルグルと廻り、ほんのハンカチ一枚ほどの止水部分が出来ているのが目についた。苦労して奔流の中を慎重に歩み寄り、頼みの綱のパラシュートを数回キャストする。

 手前の流れが強いので腕を高く掲げティペットを持ち上げ、いわゆるテンカラ流しでわずかな止水域にフライを留めていると、もう少しでフライが流れ出してしまう!という瞬間に水中から灰色の魚体が浮かび上がってフライをくわえる。魚体が沈んだのを見てから合わせると、ギュンギュンと下流へ突進を始めた。

 上流の川本君に「ヒット!」と声を掛け、魚に引かれて下流へと歩き出す。流心に突入した魚が思いの外強い力でロッドを曲げる。荒びる岩魚を苦労してネットに収めると、斑点がきれいな26センチの岩魚である。こういう苦労して釣った1尾は

「釣った!」

という実感が湧きますね。

 気をよくして釣り上がるが、もうすでに車を止めた地点まで来てしまった。しょうがないのでヤブが被さった沢の出会いにフライを投げると元気のいい中学生サイズの岩魚が何回もフライを追ってくる。ウサギ沢の出会いもいいポイントがあったが水面は沈黙したままであった。ここで車に戻ることとする。

10:00~12:00 ダムバックウォーター

 昼寝している川本君を置いて、独りでバックウォーターにルアーを引きに行く。

 絶好のポイントが続き、水中のスプーンに50センチほどの魚影が近づいてきたが、動きがトロイので、おそらくニゴイであろう、ヒットはしなかった。うーん、あいつを釣るといつものウグイストからニゴイストになるところであった。

(注: 別にウグイ・ニゴイの釣りを蔑視しているわけではありません。単なるゴロ合わせと言うことでご容赦を!)

 車に戻り、今夜泊まる民宿に電話をかけてから昼食をとり、涼しいどころか肌寒いくらいの木陰で昼寝をする。

16:00~19:45 支流の谷 空き地の降り口~柳の淵 まで

 昼寝から覚めると4時である。本流は水が多いし他の沢には餌マンが大勢いるし、行くところが無くて支流に向かうこととする。

 橋詰めには車が止まっていたので少し上流へ移動し、空き地に車を止める。

 急な杣道を下り、ようやく川原に降り立つ。この谷は心許ないほど水量が少ない。渓相は素晴らしいが水も済みきっていて、厳しい釣りを迫られそうである。

 それらしいポイントにフライを流すと、魚影がすばやく反転してはもとの岩影に戻っていく。案の定なかなかスレているらしい。柳の被さった好ポイントにキャストしようとすると、上流で釣っていた川本君が

「釣れた!」

と声を出す。こっちも良いポイントなんだが...と思っていると、ポチョンと岩魚がフライに食いつく。この谷で釣れた初めての岩魚は20センチであった。川本君の岩魚はなかなか良い型である。魚は結構いるらしい。

 さらに遡行していくと通らずの淵に出会した。じっと伺うと、淵尻のすみでパチョン、パチャンとライズがある。あまり大きくはないらしい。鏡のような水面ではじっくりとフライを観察されるので釣りづらいなぁと思いつつ、パラシュートをキャストする。案の定ユラユラと上がってきた岩魚はしっかりフライを見破り、

「ケッ、またか.....」

というような顔で川底に戻っていった。川本君も大きな岩魚にフライを見切られたらしい。

 しばらくこのおわん淵を攻めるものの、あきらめて熊笹の薮を高巻きする。後を付いてくる川本君の姿は見えず、笹の間からロッドだけが見えている。足場が悪いので、5メートル進むのも大変な苦労である。ようやく川原に降りると、顔から汗が滴り落ちて、サングラスが一気に曇る。

 おわん淵の上流にも至るところ好ポイントがあり、期待させられるがお約束のポイントではなかなか出ない。そのくせ思わぬ所で25センチぐらいの岩魚がヘロヘロと泳いでいるのに出会す。うーん、暗くなるまでは厳しいナと思わされる。

 落ち込みの頭にわずかな開きがあり、底に石が沈んでいるポイントを見つけ、ナントカの一つ覚えのピーコックパラシュートを流すと、橙色の石の影から黄色い魚体の岩魚がヒュッと出てくる。「ほれっ!」と合わせると、がっちりフライをくわえた岩魚は落ち込みを下流に下り、ばたばたと暴れながら下流の淵の中で右往左往する。なんとかネットに収めると26センチであった。あたふたと写真を撮ってリリースする。

1998/07/11

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