1998/07 イワナ、ヤマメのしぐさなど

 この数週間の釣行でなかなか面白い光景を見ました。

イワナ その1

 いつものように相棒の川本君と左右岸に分かれて釣り上がっていると、淵尻の大岩の前、いわゆるお約束ポイントで良型のイワナが定位しているのが見えた。川本君に呼びかけ、キャストしやすい彼が狙うことになる。

 注文通りイワナの1.5m上流にフライが着水し、ゆらゆらと件のイワナの前に流れてゆき、フラッと体を動かした瞬間、淵の底から別の大物イワナが電光のように飛び出してフライをくわえた。びっくりした川本君は動揺の余り早アワセをしてしまい、からくもフッキングを逃れた大物イワナは淵の中へと消えていった。

 最初のイワナもびっくりしたのか姿を消してしまった。

 教訓: 渓流釣りは何が起こるかわからない。冷静に対処する。

     一番先に一番大きいのが食いつく。

イワナ その2

 大石からヒョッと顔を出すと、流れの尻にこれまた良型のイワナが定位している。黄色い魚体に白い斑点が美しい。

 注文通りテレストリアルを流すとユラユラとフライに近づき、見切られたかなと思った瞬間パックリと食いついた。それっ!と合わせるとフライの結び目からプツンと痛恨の合わせ切れ。イワナは岩影に逃げ込んでもう出てこない。

 ガックリ来たのと疲れとでその場で30分ほど昼寝をする。目が覚めてぼーっとしながらさきほどのポイントをふと見ると例のイワナがまた定位している。30分でさっきのショックがおさまったらしい。あわよくばと欲を出してもう一度キャストすると、今度はフライの目前3センチで見切られてしまう。

 よーしそれじゃあフライ交換してから勝負だ! と、不注意にラインをピックアップした時に波を立ててしまい、これに驚いたイワナは再び石の中へ。

川本君曰く、

「今のは伊藤さんが悪いわ」

 教訓: 結び目はいつも確認すること、ラインの扱いは慎重に。

アマゴ その1

 夕暮れを迎え、お目当ての淵でねばっていた川本君が、流心でアマゴをかける。淵の底に突っ込んだアマゴが見事な魚体をくねらせて抵抗している。クンクンギュンギュンという高回転型のファイトである。竿をまん丸く引き込まれた川本君は慎重に魚をいなしながら手前のランディング予定の浅瀬まで寄せてくる。

 と、最後のダッシュを試みたアマゴが私の足下の岩の影に入ってしまう。にっちもさっちも行かなくなった川本君が、ラインを手繰りながらそろそろと寄ってくると、こともあろうにそのアマゴは石の下を潜って反対側に飛び出した。

 もろに石に擦られることになった6Xのティペットはあっけなくプッツン。すっかり暗くなった川岸で苦悶のうめきをあげる川本君。

 教訓: 大物がかかった時にどこで取り込むか見当をつけておく。

     あまりファイトを長引かせるのも考えもの。

教訓はたくさん得ているものの、なかなか本番で活かせないなぁ.......


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