釣行日誌 NZ編

上手だと思うほどには上手くなく

2002/07/21(SUN)

 日曜であるが、他にやることはないので釣りに行く。オレから釣りをとったら何も残らない....と、改めて思う。

 山岳渓流のT橋から下流は年中釣りができるので、そこへ向かう。いつものミルキングシェッドから川に降り、るつもりがちょっとした増水。濁りはそれほどでもないが、流量がけっこう増えている。釣り上がりのインジケーターニンフか、釣り下がりのストリーマーか、しばし迷ったが、最初のポイントはニンフが有利そうなので、重いビーズヘッドとインジケーターをセットする。

 有望そうな筋をいくつか流してみたが、岸よりの浅いポイントで不意にインジケーターが沈む。すかさず合わせるとぷつんとリーダーが切れ、外れたインジケーターだけがフワフワと流れてくる。

「ちっ!」

 けちがついたような気がして、釣り方を変えることにする。ストリーマーの釣りをするべくウーリーバガーを結び、1キロほど歩いてから釣り下がることにする。

 崖崩れ前のポイントは、お目当てにしていた淀みがまったく無くなっており失望。この間の出水でだいぶ川が変わってしまったようだ。さらに下り、長淵のアタマ、長瀬の瀬尻、左曲がりの淵、右曲がりの淵など、いろいろと攻めてみるが反応がない。せめてシンクティップを使わないと、ストリーマーが表層を流れてしまって、鱒の居る層まで届いていないのかも知れない。昨日のスプリングクリークよりははるかに魚影が薄いので、逆にストリーマーの釣りは効率が悪いのかも。

 結局釣り始めたミルキングシェッドまで戻ってきて、再びニンフの釣りに変える。ここはいつも魚が居着いているので有望なポイントなのだ。下流から丁寧にニンフを流す。まさに、ゴールデンポイントと呼ぶにふさわしい一点をインジケーターが通過したとき、スゥーッとオレンジ色が沈んだ。しかし! 余分なラインを手繰っているときだったので、一瞬合わせが遅れてしまう。慌てて二度三度とキャストしてみたが、そこではもう当たりが出なくなってしまった。

「ううううう」

 あれほどはっきりとした当たりも珍しいくらいの、明確な当たりであったが、ポカのせいで合わせ損なってしまった。ニンフを自然に流しつつ、ラインの弛みをとってゆく操作が今後の課題か。しかし痛い。ひょっとして根掛かりか? いや、違う。あれは生体反応だった、と信じたい。

 気を取り直して上流へ向かう。三本橋の一番下流側の橋の下を狙う。ここは、言ってみれば、ボウズ逃れの淵なのだ。淵尻、真ん中、大石の回りでは反応が無かったが、淵の流れ込みで一回当たりらしき反応があった。次のキャストで今度は明確にインジケーターが消し込み、中型のレインボーのジャンプが始まる。

「ふふふ、ボウズ逃れの淵は健在だ」

 とほくそ笑みながら寄せてくると、岸辺まであと1メートルのところでバレてしまった。いつもそうなのだが、鱒を取り込んで、今夜の料理法などを夢想したところでバレてしまう。殺気が伝わるのだろうか?

 橋の上の荒瀬ではいくつか当たりがあり、ちびっ子レインボーを1尾釣る。さすがに6番ロッドでは寂しいものがある。

 さて、夕暮れも迫り、今日のメインイベントのポイントにやってきた。ここはかつて、友人のN君が、ルアーで60cm級のブラウンを上げているのだ。川の真ん中に大きな岩があり、それが作る後流が魅力的な深みとなっている。左の筋、後流の中、右の筋、本流脇と攻めてみるが一つも当たりが出ない。おかしいなぁ?と思いつつ、大石の横まで来て、上流に残った荒瀬の始まりを攻めてみる。いくつか大きな石が点在しており、ヤマメならばぜったい居そうなポイントである。

 二度、三度、四度。五投目でインジケーターが沈み、ロッドを立てると鱒がジャンプした。

『おお、元気の良いレインボーだ』

 と、思っていると鱒はさらにジャンプを繰り返す。大石の後ろは流れも静かなので、そこへ誘導して遊ばせる。うすく濁った流れの中に、銀色の魚影が閃く。余裕を持って寄せてくると、銀色の魚体に大きな斑点が散らばっている。

『あ! ブラウンか!』

 濁りの中で体色が淡くなっていたが、斑点はまさしくブラウン。しかし、こんなにジャンプするやつは珍しい。ランディングネットがないので、大人しくなったところをそっと掌ですくう。産卵の後なのか、尾ビレの下部が擦り切れていた。

 しつこく流して釣れたブラウンを水に返し、思った通りの場所で1尾釣った喜びを反芻する。

『ちょっとは上手くなったかな』

 人が見れば、あるいはビデオで自分の姿を見れば、まだまだ.....の釣り人が自己満足に浸った真冬の山岳渓流であった。


釣行日誌NZ編   目次へ

サイトマップ

ホームへ

お問い合わせ

↑ TOP