釣行日誌 NZ編  「一期一会の旅:A Sentimental Journey」

あとがき

 苦しく、楽しく、また恐ろしい思いもしたニュージーランド再訪の旅が無事終わった。帰国翌日に、もう一度横浜の植田紗加栄さんに電話したのだが、やはり繋がらなかった。バックパックの荷ほどきや画像の整理などをして数日が過ぎた夜、彼女の携帯電話の着信記録をご覧になった旦那様からお電話があり、紗加栄さんは11月30日に亡くなられていたことを教えてくださった。葬儀は近親者のみで行ったそうであった。やはり彼女の主治医の先生の言った通り、12月までは保たなかったのだなぁ....と、とても悲しく、残念だった。オークランドのジョー・ハーマン夫人の様子を知らせてあげたかったのに、と悔やまれた。それから、留学時代の紗加栄さんの画像数点をプリントアウトし、御霊前の袋と共に旦那様宛に送らせていただいた。

 僕の初めてのニュージーランド釣行、1997年の旅からはや22年もの歳月が流れた。いくつもの新しい命がこの世に生を受け、いくつもの命が流れの向こう岸に旅立っていった。子供たちはあっという間に成長し、大人たちは一様に歳を重ねた。

 人間の命や運命、そして幾多の不思議で貴重な巡り逢いなどが織りなす儚い流転を傍らに眺めながら、思い出の中にある数々の川はみな、今日も変わることなく流れ続けていることだろう。悠々と泳ぐ鱒たちをその懐に抱えながら。

(完)


 とても長い釣行日誌を、ここまで読んでいただいた皆様へ、深く感謝の意を表して、あとがきとさせていただきます。
 誠にありがとうございました!

2019/02/24
愛知県豊橋市にて
伊藤 剛

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