父の釣り口伝

アユ釣りの夏に その18  アユ釣りブームについて

 それとねえ、バブルだかなんだか知らんが、今の人はおらの子ども時分と違って銭が取れるようになったもんでよう、逆に言うとそういうテグスだとか竿だとかが金儲けの材料になっちゃっただ。

 今はアユの竿が四十万だ五十万だって言うだらぁ。いくら趣味だかいい魚が釣れるか知らんけど、たかだか魚釣りがさ、プロじゃないよ、素人が五十万の竿でアユを釣ってみたってどうなるって言うんだ。オウム教のヒゲ伸ばした奴が空中に浮いてどうなるってのといっしょだよ。(笑)

 それでまたこんどは竿に保険をかけるだ、それ盗まれただ、なんて言って。

 それとさ、人の竿を盗むなんて釣り人の風上にも風下にも置けん、問題外、言語道断だよ。ほーんと、世が世なら手打ちにいたすだよ。

 なあ、その竿で釣ってみたってどうだ、後味が悪からあ。昔なんか川へオトリ箱沈めて、ああ、あそこにオトリ箱沈めてあるわって、みんなが見てわかる所にあったって盗まれるなんてことはまず、100パーセント無かったでな。

 日本人はおかしな国民で、孔子様が「衣食足りて礼節を知る」って言ったそうだが、衣食足りて礼節を忘れてしまってほんとおれは腹立つよ。どういうことになってしまったかしらんと思って。だから文部省が悪いって言うんだ。うまいこと言って子どもの自主性を伸ばすなんて、そうじゃねえだ放りっぱなしだ、おれに言わせりゃぁ。


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