留学日誌

語学学校での英語の学び方

学期の始まりから始める

日本人同士で固まって日本語で生活しない

日本語を追い出す

しゃべったもん勝ち

間違えて覚える、間違いを恐れない=プラス思考

言いたいことをメモする

肉体(顔面と口腔部)のトレーニングも重要

いろんな場所で会話の練習

単語を単語で覚えない

英英辞書を使う

同義語・類義語辞典(Thesaurus)に親しむ


●学期の始まりから始める

 私の通っていた語学学校は1年間に4学期があります。各学校の授業の開講期間を調べたら、スケジュールをやりくりしてなるべく各学期の最初から入学し、一定期間のコースをきっちり修了することをお勧めします。

 ジェネラル・イングリッシュのコースでは、文法を中心に教科書に沿って順序立てて勉強しますので、各学期の間に効率よく一通りの会話、リスニング、作文、英文法などが学べると思います。

 また、長期間学ばれる方は、IELTSやTOEFLのテスト、ケンブリッジ英語検定など、具体的かつ客観的な目標を立てて勉強すると良いと思います。

 試験が目標として定まっていると、授業にも熱が入りますし、他のクラスメートとも刺激し合って積極的な環境で学べます。

 さらに、学期の始まりには各国からまとまって学生が入校するので、同じクラスのメンバーと学期の最初からスタートでき、スムーズに学校生活を始められると思います。

●日本人同士で固まって日本語で生活しない

 せっかく海外に住んで、現地の語学学校に通うのですから、

学校の敷地にいる間は日本語を話さない

日曜日以外は日本語を話さない

 くらいの意気込みで、休憩時間、放課後、週末を通じて各国の生徒さん、現地の人たちとどんどん英語でコミュニーケートして下さい。

 本当に自分が話したいことは、休憩時間に友達と話す内容、

○昨日の映画はつまらなかった

○ホストファミリー宅の子供がおねしょをした

○日焼け止めクリームを買いに行ったら種類の多いのに驚いた

○F先生はシャロン・ストーンに似ていると思う

○台湾食材店で買った韓国産の蕎麦がとても美味しかった

 などなど.......ですので、日本人同士で固まって日本語で話さずに、英語でのコミニュケーションをしましょう。

 ある日本人のクラスメートとは入学以来ずっと英語で話していたのですが、あるとき初めて日本語で話した時に、彼女の福岡訛り(私の三河訛り)があまりに強かったのでお互い驚いたことがあります。(笑)

●日本語を追い出す

 オークランドには日本人も多いですし、日本レストランも多い、日本食材店もあれば日本語の新聞、雑誌もある、いろいろな店に日本人スタッフがいて語学学校には日本人のカウンセラーがいて何人かの先生は日本語が話せたりします。インターネットが使えれば日本語の情報は溢れるほど手に入ります。

 ですから、極端なことを言えば、日本語だけでもある程度生活できてしまいます。

 しかし、英語の上達のためには、できるかぎり、

日本語にふたをする。押し入れにしまっておく

 必要があると思います。

 とは言うものの、こう決めた場合、最初の数ヶ月はとても苦しくつらい日々が続きます。でも、固く心に誓って学校での勉強を地道に続ければ、少しずつ(人によってはある時期にググッと)上達すると思います。

 さらに、英語の基礎的実力がない状態で日本語と英語を使い分けることはとても難しく、脳に過大な負荷(無理難題)を強いているような気がします。(私の経験から)

 数ヶ月あるいは数年の外国暮らしで日本語をほとんど忘れてしまい、帰国後の生活に支障をきたす......なんてことはまずありえないのですから、初志貫徹のため、日本語にふたをすることをお勧めします。

●しゃべったもん勝ち

 教室では、実にいろんな国から来た生徒さんたちといっしょに学びますが、

「しゃべったもん勝ち」

あるいは、

「○○さん、少し静かにして下さい」

 と言われるくらいにしゃべるぐらいの気迫(笑)で授業に臨んで下さい。

 私が最初に入校した時に、ブラジルから来たフィリップ君と台湾から来たウィニーさんというクラスメートがいたのですが、彼らは実にいろいろなことを話していました。決して彼らも最初からスムーズに英語でコミュニケーションができていたわけではないのですが、日頃の出来事、ホームステイの様子、映画の話など、途切れることなく会話を続けていました。その結果、先生からは真っ先にマークされたのですが、(笑)みるみる上達してゆきました。

●間違えて覚える、間違いを恐れない=プラス思考

 いきなり、「しゃべったもん勝ち」と言われても、なかなか口が開かないと思います。でも、最初の段階で肝心なことは、

「英語でのコミュニケーションに尻込みしない」、

 だと思います。英語の面接試験を受けているわけではないのですから、間違えたら減点されるという長年に渡って身に付いた習慣的思考をやめ、少しでも話の口火を切れたらマル、すこしでもコミュニケートできたら二重マル、そんな感じで、

「間違いを恐れない→プラス思考」

 を前面に押し出して、とにかくどんどんと会話して下さい。

 英文法については日本の学生さんはかなり実力があると思いますので、実際の会話で話すこと・聴くことを覚えていくことが大事だと思います。

 さらに、口で言えなければ身振り手振り、それが通じなければ絵を描く、ぐらいのしつこさで言いたいことを交換して下さい。

●言いたいことをメモする

 間違いを恐れずに会話を切り出したものの、話したいことがすぐに言えない、どう言ったらいいかアタマに浮かばない......ことも多いかと思います。

 そんなとき私は、次の方法を採りました。

1.用意したメモ帳(肌身離さず持ち歩ける小さめのサイズ)に言いたかったことを書き込む。

2.家に帰ってからその内容について英作文をする。この時には、英会話の本、英英辞典などを参考に、なるべく自然なフレーズを創ります。

3.10~20回ほど大きな声でそのフレーズを音読し、暗唱できるレベルにまでアタマに叩き込む。正確な発音、リズム、イントネーションに心がける。

4.翌日、通学途中などに復習し、学校で友達をつかまえて実際に使ってみる。

5.わからない点は、先生に尋ねて、正確かつ自然な英語のフレーズになっていることを確認する。

 一例ですが、このように言いたくても言えなかったことを重点的に練習すると上達が早いと思います。いろいろな会話文を片端から詰め込むよりも、確実にアタマに残り、身に付くと思います。

●肉体(顔面と口腔部)のトレーニングも重要

 私がニュージーランドで英語を使って暮らすようになって一番強く感じたことは、

 英語を習得するには、記憶とか発想といった脳で起こっている言語の働きもさることながら、顎、口、舌、唇、歯、頬、表情といった肉体的(顔面と口腔部)な働き、筋肉のウォームアップと訓練がそれにも増して重要ではないか?

 ということです。それは、週末をホストファミリーの家で過ごし、あまり会話をしなかった場合、月曜日に学校に行ったときにどうも口の動きが鈍くなっていた感じがするからです。

 また、IELTSの受験を控え、直前1週間に会話の想定問題集を何回も音読したり、街に出ていろいろな店の店員さんたちと話した時に、かなり口や唇、舌などの動きが良くなり、比較的流暢に話せるようになったからです。

 1週間の間に頭脳の方がそれほど急激に伸びるとは考えられないので、口がなめらかに動くようになったことが大きく影響したのだと考えます。

 英語には、日本語には無い微妙な音があり、かなり意識して、顎、口、舌、唇、歯、頬を総動員して発声・発音しないと正確に聞き取ってもらえないことが多々あります。

 ある日タクシーに乗ったとき、

「ターナー(Turner)通りへ行って下さい」

 と頼んだのですが、運転手さんは、

「たーなー?? とーなー? うーん......?」

 と聞き返してくるばかりでわかってもらえませんでした。そこで正確な発音を思い出して言い直したところやっと通じました。

 顎、口、舌、唇、歯、頬 などは肉体の一部ですので、英語的な発声をするために必要な動きをしなくなればすぐに衰え、正確な発音ができなくなってしまいます。

●いろんな場所で会話の練習

 少し生活にも慣れてきて、実際の生活の中で英語を使い始めると、学校ではそれなりに話せて、聞き取れていたのに全然通じなくてややショックを受けることがあります。これは、

○学校の先生はとても明瞭に、わかりやすく、ゆっくり話してくれる。また、英語を母国語としない生徒たちの発音やイントネーションに慣れているので、私たちの会話が不十分・不正確でも聞き取ってくれる。

○普通の人、街角の人々は、手加減してくれることが少ない

 (自分のレベルが上がれば上がるほど、実社会での会話が難しくなります)

○普通の人々の話し方には驚くほど様々なアクセント、イントネーション、口調、くせがある。
(私達が学んできた英語の音声教材、テレビ・ラジオの会話はどれも非常にきれいで明瞭な英語だったことに気づかされます)

 ことなどによると思います。ですから、学校での先生・学生間の会話と同時に、学校外での会話をたくさんすることをお勧めします。

 IELTSやケンブリッジ検定のリスニングテストでは、様々な英語(ネイティブスピーカー以外の人々の会話も多く収録されています。

●単語を単語で覚えない

 「英単語」 という言葉、あるいは概念は、日本の人々の間に広く浸透していると思います。また、「英単語必須5000語レベル完全マスター」などという教材も多く出版されています。さらにインターネットのメーリングリストでは、「一日数語の英単語をわかりやすい解説付きで毎日配信します」というようなサービスが驚くほどたくさんあります。

 しかし、過去の大学入試問題からコンピュータで抽出された、「重要」あるいは「頻出」する英単語をそれらを散らばった一つ一つのことばとして片っ端から覚えて行くのは、能率も悪いですし、アタマの中への染み込み方が浅く、すぐに忘れてしまうと思います。

 そこで。

 英単語を覚えるときには、なるべく多面的な捉え方をして、脳細胞の中でいろいろな引っかかり方、思い出し方ができるようにすると良いと思います。

 私は、次のような方法で単語を学習しました。

1.単語帳を開き、英単語と、その意味を説明した英文(英英辞書から引用)を書き、それをめくった反対側のページに日本語の意味と使い方の例文を書き込む。

 例えば、あるページに

英単語  addict (n)

意味 (E) 
a person who by habit or strong inclination indulges in something
 と書いたら、それをめくった次のページに、

意味 (J)
  常用者、中毒者
例 文  The piano player once was a drag addict.

 と書きます。(こうすると、自然と日本語の意味がページの裏に隠れます) 

単語の意味を英文で書くのは、言葉(物体や概念、感覚、印象など)を英英辞書ではどのように説明しているかを学び、さらに他の人にも英語で説明できる力を付けるため です。

 語学学校では、自分が調べた言葉の意味を、クラスメートに英語で説明する練習が頻繁に課せられます。これを繰り返していると、頭の中にある日本語の言葉が、その正確な英訳語を知らなくても、スムーズに人に説明できるようになります。

 この形式で単語帳を創ると、後に復習する時に、

英単語  >  日本語への言い換え+例文を思い出す
日本語  >  英単語を思い出す+意味を英語で言う 

 を、効率よく反復練習することができます。 英単語を日本語に訳すだけではなく、日本語を英語に言い換える練習をみっちり行うことにより、自発的な会話力、言いたいことを言う力が伸びるます。

 また、例文は、学校の教科書に出てきたテキストの一節か、英英辞書にある例文を書き写すと自然な用法が覚えられると思います。

2.一つの言葉から生まれた noun、verb、adverb、adjective などをまとめて辞書で調べ、1の方法で整理しておく

 例えば  addiction  (noun)
      addict    (noun, verb)
      addicted   (adj)
      addictive  (adj)     など

 このような連想や、派生語をたどる記憶法を採ることにより、学んだ英単語が頭の中にしっかりと根をおろすようになります。

3.同意語・反意語も調べておく(時間があれば)

 例えば  addict(n) ≒ aficionado, buff, devotee

            < > balk at, object to, resist

4.発音記号を確認し、何度も音読して頭だけでなく、顎、唇、舌、頬、など口の周り全体を使った「筋肉の記憶」として覚える。

 こうすると、意味をしっかりと覚えられるだけでなく、ヒアリング力の向上にも役立ちます。

参考文献:語源で覚える英単語飛躍増殖辞典

●英英辞書を使う

 語学学校では、初級・中級のレベルからすでに英英辞書(English-English, Monolingual Dictionary を使って言葉の意味を調べ、その意味をクラスメートに英語で教える.......という訓練をします。

 英英辞書は、慣れないうちは意味の解説する文中にもたくさん知らない単語が出てくるので、引けば引くほどわからなくなります。(笑) まるでお役所でいろいろな窓口をたらい回しにされて結局用が足せなかった日のようです。

 しかし、がんばって使っていると、次第に英語らしい表現が身に付き、英語的なモノの考え方ができるようになります。

 私は、

The COBUILD SERIES  LEARNER'S DICTIONARY
HarperCollins Publishers 刊

ISBN  0-00-375057-4 hardback, 
     0-00-375058-2 paperback

 という辞書を使っています。

 日本で輸入された英英辞書を買うのと比べれば、ニュージーランドで買う辞書は実にお買い得だと思います。この辞書は99年9月当時で約34ドル(1900円程度)で買いました。他の出版社の辞書よりも低めの価格設定がなされていたように思います。

 また、毎日学校に持って行けるサイズと重さです。語学学校やオークランド大学の語学センターで、この辞書の上位版である

COBUILD SERIES  ENGLISH DICTIONARY

 が備えてあってとても気に入ったのですが、いささか大きすぎてとても持ち歩こうという気になれないのが難点でした。

 なお、辞書を買う場合には、いつまでも永く使えるようにハードカバーを買うことをお勧めします。特に毎日持ち歩いているとすぐにヨレヨレになってしまうので、少々高くてもやはりハードカバーの方が丈夫です。

 本当に英英辞書の偉大さと便利さを実感したのは、宿題で Collocation (連語:正しく結びついた語群、または意味上で一つの単位を成す語群) を考えるクロスワードパズルが出されたときです。手持ちの英和辞書ソフトウェア(日本の出版社製)を使って個々の単語を調べていったのですが、英語の中での決まり文句と言えるコロケーションの事例があまりに少なく、いくら引いても答えが見つかりませんでした。
 ところが、英英辞書を使うと、例文の中にいくつも典型的な言い回しが収録されており、クロスワードがすらすらと解けたのです。

●同義語・類義語辞典(Thesaurus)に親しむ

 英語を聞く、読むといった「受信」状態よりも、話す、書くという「発信」状態が多くなると、

「なんかこの言葉はぴったりしないなぁ.......」

 とか、

「いつも同じ表現ばかりでくどくて退屈な文章を書いてるなぁ」

 と思うようになります。そこで便利なのが、同義語・類義語辞典(Thesaurus)です。

 社会学者の杉本良夫氏は、その画期的な名著 「日本人をやめる方法」の中で、次のように述べています。

辞書といえば、語彙を拡大してゆくための最大の武器は、私の場合、同義語辞典であった。thesaurus とよばれる辞典で、英語圏の辞書出版社なら、どこからでも出ている。最近は、パソコンやワープロの英語用のパッケージなら、同義語辞典が組み込まれているものが多い。(中略)
 ある言葉の語感がどうもぴったりしないと、同意語辞典のオプションを使って、類語や反意語の蔓を探ってゆく。そうすると、自分の頭のなかにある概念としっくりする語に、簡単に出会うことが多い。知らない単語が同意語一覧にでてくると、字引を引いてその言葉の意味を味わうというようなことを、いまでもよくやっている。
 この方法で、ずいぶん語彙を豊富にすることができたような気がする。

 また、 私の手元にある

Webster's Basic Thesaurus
Promotional Sales Books, LLC
ISBN 1-57723-254-2

 という同意語辞典の冒頭には、次のように書かれています。

 もしあなたがこれまで、一度も同意語辞典を使ったことがないのであれば、きっとユニークな体験をすることでしょう。これは辞典に似ているのですが、言葉の意味は書かれていません。同意語辞典は、ある言葉の代替できる言葉、別の選択肢としての語群を提供するのです。(中略)
 私たちは、あなたがこの同意語辞典を使うことを 
enjoy(appreciate, delight in, dig, experience, have, like, make a meal of, own, posses, rejoice in, relish, revel in, savor, take pleasure in, use)
 されることを願っています。

 同意語辞典をいつも身近におくことは、言葉の大海のそばで暮らす、その大海原のまっただ中で暮らすようなものだと思います。


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