街の灯と祝杯

1997/01/17(FRI)-5

 オークランド空港に着き、シャトルバスでホテルへと向かう。マイクロバス型のシャトルは、後部に大きなカーゴキャリアを牽引しており、バックパックやロッドケースはそこに載せた。案内係のおじさんがロッドケースを目敏く見つけて訊ねてきた。

「どこで釣って来たんだい?ブラウンかレインボーか?」

「ブラウンです。南島のウェストランドで」

「どっからきたんだ?」

「日本です。北海道と名古屋から」

「北海道?そりゃどのへんだ?」

「日本の北の島です。スキーもできますよ」

「へぇーっそりゃ知らんかった。日本でもスキーができるのか?」

 などと調子外れの会話を交わしつつ、バスは走り出した。このシャトルバスは客が止まるそれぞれのホテルまで送ってくれるのだ。一緒に乗ったニュージーランド人の若者は、市内の自分の家の前まで送ってもらっていた。

 ホテルに着いて予約を確認し、部屋へフラフラと倒れるようにして入る。ボーイさんが大荷物を運んでくれたので助かった。

 松延さん夫妻と、今日は最後の夜なのでオークランドの町に繰り出して晩御飯を一緒に食べようと言うことになった。タクシーで町に出るともう8時半を回っており、北島では日が少し短いので夕暮れになっていた。

 お目当てのステーキレストランが込んでいたので、15分ほど時間つぶしにオークランドの町を歩いた。

 今日の昼までの大自然の中の釣りの余韻が都会の喧噪の中に薄れていった。金曜の夜のオークランド市街はとてもにぎやかであり、いろんな国から来た観光客が大勢歩いていた。

 パソコンショップのショーウィンドウに、マイクロソフトの新作ソフト、Office97が飾ってあったので、急に仕事のことが思い出された。やれやれ。

 レストランに入り、奥のテーブルに案内された。松延さん夫妻はビールにワインにステーキを頼んだ。ビルの話ではニュージーランドの白ワインはかなりイケるけども、赤ワインを飲むならオーストラリア産にした方がよいと言う話だった。私はなんとなく魚が食べたかったので「今日のスペシャル」というシーフードの皿と白ワインを頼んだ。ところが、シーフードという言葉からイメージしていた刺身の盛りつけとか生カキとかいう予想とはうらはらに、出てきたのは白身魚の切り身のステーキである。まぁステーキレストランだからしょうがないといえばそうであるが、やや残念であった。カワイイ顔のウェイトレスによく聞いておけば良かった。

 とはいうもののワインとビールに話は弾み、3人とも心地良い酔いの感覚を楽しんだ。

 ホテルに帰ってから、フロントで明日の朝空港まで行くための交通手段を確認した。カタコトの日本語のできるフロントの青年が、シャトルバスを手配してくれ、朝4時15分に玄関までバスが迎えに来てくれることになった。明朝の帰国便は朝7時の出発であり、5時には空港に行かなくてはならないので大いに助かった。


釣行日誌NZ編   目次へ

サイトマップ

ホームへ

お問い合わせ

↑ TOP