父の釣り口伝

アユ釣りの夏に その3  手作りのアユの竹竿

--アユ釣りの竿はどんなのがいいの?

 そうだなぁ、みんな長い竿使っておるだけど、昔アユ釣りを始めた頃は、おら子どもだもんだいせいぜい13尺か二間半だ。それだって釣れるだもんで。

--子どもの頃最初に持った竿って言うのは誰か作ってくれたの?

 それは親父が名古屋でボラ釣っとった竿。そりゃこわいわ(固いわ)、ボラってこんなに大きな魚だでなあ。それでなあ、三本つないでなあ、二間半だった。だから仕舞寸法で5尺あったわけだな。それだってあのへんでそんなつなぎ竿の立派なやつ持っとるのは俺ぐらいしかなかったぞ。おじさん達みんな竹んぼみたい竿でやっとっただもんで。

 そいで竿だっておら自分で作っただもんで。その時にはいい竹が無くて、今の尾呂の菅沼さん、あの家の裏に竹薮があって、こんな太い竹があるわけだ、それを切って来ちゃあなあ、七輪に火を起こしちゃあのばしちゃあ、おれ何本も作ってやったよ。

 古戸の近所の衆にもよう作ってやった。それで尾呂の菅沼さんの裏にもなあ、うるしの木のこんな太いのがあってなあ、その木からまねしてうるし採って本物の竹竿まねてうるし塗ってなあ、そりゃあ本物みたいにきれいな色にはならんよ、ならんけどなあ、固まることはきちんと固まる。それで糸で巻いておいちゃあよう、竿作るだい。

 ただなあ、節を抜けんだい、道具が無くて。それで布川の片桐鉄工、あそこの今の主人の親父さんになあ、頼んでよう、鉄筋で錐を作って、それで節を開けちゃあなあ、まんだそこらへんに俺の作った竿があるぞ、2、3本は。


父の釣り口伝   目次へ

サイトマップ

ホームへ

お問い合わせ

↑ TOP