留学日誌

2001年 7月 レポートに追われ、ペーパーを追う

7/1(SUN)

 午後三時までレポートを書き、それからTさん宅で薪割りをする。ひさしぶりに斧を振り回した。ちょっとあの斧はバランスが悪いな。だが、さしあたって必要な薪は出来た。

 Tさんの新築の家で、高い天井、木目の美しい床と階段、そしてなによりのごちそうである薪ストーブを楽しむ。かすかな煙の香りが、少年時代の暗い土間と風呂の焚き付け当番を思い出させた。

 少年時代と言うと格好いいが、中年時代というのはどうなんだろう? そして、来るべき老年時代は?(笑)

7/3(TUE)

 東海岸の街から、大学時代の親友兼悪友のいとこであるM嬢がやってきた。

 久しぶりにレストランで外食をし、今夜泊めてもらうTさんのお宅におじゃまする。剣道の稽古の後でハイになっているH子さんがやってきておかしな所作を披露したので一同爆笑する。

7/4(EWD)

 一日休みをもらい、M嬢を案内しがてらこれまで行ったことのなかったワイトモ洞窟を訪れる。Glowwormと呼ばれる昆虫が、この洞窟の天井に棲息しており、見事な発光作用で、迷い込んできた他の虫を捕らえて食べるのだ。

 真っ暗な洞窟を、小さなボートに揺られて滑っていくと、自分の存在がすべて消えて、二つの眼だけになったような気がする。あまたの青白い光が、宇宙空間に光る星のごとく頭上に煌めく。

 造物主の知恵と、生き物の掟、命の不思議さ、年月の久遠と瞬間を思い知らされる。

 2001年7月、宇宙の旅。

7/5(THU)

 ひたすら実験計画の立案に取り組む。テスト水槽の図面を起こし、必要となる器具や道具、材料を書き出す。

 問題は、予算を確保すること。(笑) 来週、国立水圏大気研究所(NIWA)にプロポーザル書類を書くのだ。それが通らないと自腹か?

 日本の研究機関、大学にうなっている(ニュージーランドから見れば)予算が羨ましい。まだまだ日本はお金持ち。

7/6(FRI)

 M嬢が昼前のバスで、東海岸の街へ帰った。あの歳にしてはとても良くできた子である。感心感心。さすがはY屋さんのお母さんの姪っ子。

 バスターミナルには、大なり小なりドラマが転がっている。どんな国でも、どんな街でも。

 大学へ戻るついでに家へ寄って、カレーの残りとラーメンで昼食にする。街で売ってる3.50NZ$のサンドイッチなんか買ってたら、即、破産である。なにせ無収入の身。 貧すりゃ鈍する。

 夕方、技官のガヴィンさんがカフェに誘ってくれて、みんなでビールをひっかける。ひさしぶりにダブルのウィスキーを飲んだら胃を蹴っ飛ばされた。ジョニーウォーカーは健在なり。兄貴が初めての月給で黒ラベルを買ってきたっけ。もう25年も前のこと。

 バーのおねえちゃん、可愛いのはいいんだけド、こんどからはショットグラスを用意しておいてね。(笑)

7/7(SAT)

 試験週間ということもあり、キャンパスは静まり返っている。カードキーでRブロックの研究室へ浸透し、ひっそりとレポートを書く。

 時間さえあったら面白いテーマなのだが、いかんせん、読むのに時間をとられ、蓄えた乏しい知識を出力するのに時間がかかる。

7/8(SUN)

 いつもとはうって変わってどんなりと暖かい朝。お茶を飲みつつ電子メールを確認する。暑さにうだる日本から、甥っ子が生意気な口調で手紙をよこす。もう彼も中学一年生だもんな。 ま、実際彼は生意気であるが。(笑)

7/10(TUE)

 足かけ一月ほどかかった 515「持続可能性の原理」 のレポートをなんとか提出した。

反省

 多量の資料を読み散らかすだけで、自分の骨肉とならなかった。一つの文献を読んだらきちんとノートをとること。まんまの書き写しではなく、自分のことばで、かみ砕いて要点をまとめること。

 どのみち読解力が劣っているのだから、たくさんの本、文献に手を着けずに、キーとなる資料を少数だけ選択して、それらについてよく吟味して、何回も読むこと。

 インターネットでの資料収集は、ある程度枠組みが固まってから取りかかるようにする。手軽に最新の情報が集まるので、やたら集めていくと厖大な量になり、お手上げとなる。(笑)

 ウェブの情報は、URLをコピーしてフォルダ名として利用し、ブラウズしたページはかならずPCに保存しておくこと。あとでかならず読み直したくなる。

 常に何かしら、英語で文を書くことを継続する。書くことが一番身に付きにくい。自発的、論理的な思考が求められるので。

7/11(WED)

 ようやく長かったレポートも終わり、研究課題の予算を穫るため、プロポーザル書類を書く。

7/12(THU)

 日本の大学の恩師の先生方にe-mailを書く。

 ご無沙汰いたしております、ハミルトンの伊藤剛でございます。

日本は梅雨明けも間近で、暑い日々が始まることと思われます。

いかがお過ごしでしょうか?

 当地は冬のまっただ中で、晴れた寒い朝には道路脇の側溝がびっしり氷で覆われています。また、自転車で通う道すがらには一面に霜の降りた牧場の草むらで羊が朝から草を食べています。

 さて、先日、大学の先輩と、西海岸に住むある人を訪ねました。その方は、ニュージーランドの在来種であるジャイアントココプの養殖に取り組んでおられ、ガレージにある水槽と近くの敷地内の池で、稚魚から育てたその魚が元気に泳いでいました。

 いろいろ話を伺っていると、その方は、Mr.CharlsMitchellさんでして、豊橋技大のN先生の御友人でした。以前は政府機関で研究されていたそうですが、現在は、リタイアされているそうです。91年に岐阜で開かれた世界魚道会議にも出席されており、この会議には私も行ったのですが、ミッチェル氏の89年の論文が、直接私の研究と関連があるので、不思議な縁に驚いています。

 私は、諸般の都合で、実験水路を使っての在来魚の遊泳実験の立ち上がりが遅れておりますが、当地方のカルバートの現地調査は、予定通り進んでおります。

 言葉の壁(特にライティング)は、いかにも厚いのですが、遅まきながら、勉強することの楽しさを日々感じております。長岡時代にもっと勉強しておくべきだったと、まさに 

後悔先に立たず 

 を痛感しております。 在校生のみなさんには、デキの悪かった先輩が、相変わらず苦労しているので、若いうちに頑張っておくように、ぜひ、申し伝えていただければと思います。

 奥様にもよろしくお伝え下さい。暑熱の日本ですが、くれぐれもお体にお気をつけ下さい。

 それではまた。 ハミルトンの伊藤でした。

7/13(FRI)

 朝からヒックス教授と、国立水圏大気研究所へのプロポーザル書類の校正を行う。文法に関する圧倒的に初歩的なミスが散在しており、恥ずかしいことこの上ない。丁寧に添削してくれる教授にひたすら感謝する。

 昼前までかかって何とかドラフトを完成し、予算の検討を来週行うことにする。

 大学のカフェに行き、お昼のおかずを買うが、パック一つのスパゲティが5.5NZ$(約280円)もして驚く。やはり弁当を作るしかない。(笑)

 午後は、部屋の片づけ、溜まっていた515関連の文献、書籍を整理して机の上を広くする。

 夕方になると目が疲れる。歳だわなぁ。しこしこと、アクセスのデータベースにデータを入力する。Access2000で、98バージョンで作ったファイルを開いたら、下位互換性が無いので保存できないと言われた。ナメとんのかマイクロソフト。

 アインシュタイン顔のヘルプおじさんを作っている人員と予算があったら、もっと肝心・重要なところに投入せよ。ワード2000でもおかしなバグが多々あるし。

 本来なら自分のマックですべての作業を完結させたいのだが、諸般の事情でNT上の各種ソフトを使わねばならず、苦労させられる。

 マゴコノダイマデタタルぞ。

 夜、帰宅すると、Sさんが帰ってきていた。9ヶ月ほど日本にいたのだが、あらためてハミルトンで生活を始めるのだ。お祝いのケーキで楽しい夜を過ごす。

7/14(SAT)

 朝起きて、リビングルームに行くと、飼い犬のジェスがカーペットの上にウンチをしている。昨夜はドッグドアが閉まったままだったらしい。きつく叱ってウンチを片づける。いやはや。

 洗濯、掃除、部屋の片づけ。冬の曇り空の土曜日にはふさわしい。

 あぁぁぁぁぁ、早く春が来ないか! ドライフライの春が。

7/15(SUN)

 昨日に引き続き、部屋の片づけなど。午後から研究室に行きちょっと書類を校正し、その後、オークランドのジョーさん宅へ向かう。

 夕方オークランドに着き、Sさんの中華料理で楽しい夕食となる。夜、デンゼル・ワシントン、ブルース・ウィリスが出演しているTheSiegeを見る。極めてシリアスな筋運びで好感が持てた。 日本の映画も、宮崎アニメと山田喜劇だけに頼っていては、ちょと困る。映画産業が衰えたのか、お客の読解力が衰えたのか?

7/16(MON)

 朝、オークランドのランゲージズ・インターナショナルという語学学校を訪れる。母校は良いものである。アニーさんとバッタリ校舎の前であってすこし立ち話、とても懐かしかった。受付の方は変わっており、先生方にも会えなかったけど、またこんど寄ってみよう。

 日本食品店で、削り節、マヨネーズ、カレー業務用、出刃包丁、刺身包丁を買い込む。強盗にでも入るのかと疑われそうである。

 グリーンレーンまで戻り、馴染みの床屋さんに行く。息子さんが慎重な手つきで頭を刈ってくれた。もう少し、ハサミを研いでおいて欲しい。(笑)

 空港に行く途中、オネハンガの古書店により、71年に出版されたチャーリーブラウンの単行本を二冊と、イラスト図解釣り解説本を買う。古書店巡り中毒である。

 大学の先輩が勤めている会社のNさんがニュージーランドを訪れることになり、オークランド空港に迎えに行く。これまで一度も会ったことのないお嬢さんを、空港の到着ロビーで待つのはなかなかスリルがある。

 こんな人だったらイイな   と思う人はすでに誰かが待っており、

 こんな人だったらコワイな  と思う人がまっすぐこちらに向かって来たりする。(笑)

 待つこと30分、なんとか無事に落ち合うことができ、一路、ハミルトンへ戻る。ホームステイを御願いした、ジャッキーさん・マーティンさんのお宅で楽しく夕食をいただく。

 疲れた。多忙な一日であった。

7/18(WED)

 Nさんを案内して、午後からワイトモケーブへ。あいにくの洪水で洞窟内を運行しているボートに乗れず、ちょっとだけのツチボタル見学となった。しかし、オトロハンガのキウィハウスでは、初めてキウィを見ることができて感動した。彼らがトーフを好きだとは初めて知った。

7/21(SAT)

 午前中、Nさんと室内ロッククライミングへ。Nさんの登りを下で保持する役に徹し、体力を温存する。Nさんは12回ぐらい天井まで登る。体力があるなぁと感心する。偶然に、Kさんご一家といっしょになる。お嬢さん、息子さんともに、クライミングに夢中で、壁に取り付いてはひょいひょいと登って行く。素晴らしいことである。

 午後はラグランのTeMataにあるホーストレッキングコースにて、1時間の乗馬。N君、Sさん、Nさん、私の初心者4人組が、馬に揺られて牧場を一巡り。乗馬と言うより、馬が人間を運んでいるだけである。(笑)

 強風の中、Man carryingのひとときが終わる。そこから車を少し進めて、Bridal Vail Fallsまで行き、雄大な眺めの滝を眺望する。増水した流れから、どうどうと水が滝壺に吸い込まれ、眼が回りそうである。

 帰宅後、ジャッキーさん宅で、Nさんのお別れ晩餐会。R君の釣ってきた虹鱒が素晴らしく美味しく、デザートのパブロヴァも一級品であった。

 その後、8時半からヒックス教授宅で3名の大学院生の修士論文打ち上げパーティに参加。夜10時過ぎまで歓談する。

 実に多忙な一日であった。

7/22(SUN)

 Nさんを送ってオークランド空港まで行く。空港は相変わらず忙しく、バタバタとNさんを見送る。

7/23(MON)

 同郷のK君が、用事のついでにハミルトンに寄ってくれた。スプリングクリーク河畔の会合と晩餐で、楽しく過ごす。(笑)

 明日からまた研究を頑張ろう。

7/24(TUE)

 現地調査のデータ整理で午前中を過ごし、午後は515の試験に備え、過去3年の問題集を調べ、傾向と対策を練る。

 売店で、AutoCADR14の解説本を57ドルで安売り(半額)していたので、将来への投資と思って買っておく。帰りにアップルのオーストラリアに電話して、不良電源アダプタの交換を申し込む。応対してくれた青年が、私のファーストネームを聞いて、

「ニホンジンノカタデスカ?」

 と聞いてきた。

「CanyouspeakJapanese?」

 と聞き返すと、

「ハイ、スコシデスガ」

 と答える。彼は、日本のエプソンで働いていたことがあり、カナリの日本語を勉強したとのこと。親切に対応してくれて、最後に、

「オヤスミナサイ」

 と言って電話を切った。まだ昼前なのに。(笑)

 図書館で、中央公論の4、5月号を借りる。養老猛司氏の、「鎌倉傘張り日記」が抜群に面白い。ダーウィンの進化論、生物学・生態学の根本についての話が、核心を突いていて見事である。

 71歳になる我らがアンおばあちゃんが昼過ぎに来て、四方山話をする。相変わらず元気いっぱいで励まされる。

 夜、マオリ族の哲学、自然との関わりについて論文を読む。日本人の祖先とある部分共通しているところがあって共感させられた。

 自然を畏怖し、敬うこと。

7/27(FRI)

 午前中は、501のコースで、学会誌への論文寄稿の方法について学ぶ。グリーン博士とキング博士から、きわめて実践的な内容を学んだ。

 お弁当のおかずがなかったので、Station(大学のカフェ)に行ってサツマイモのスープを買う。カップ一杯で3NZ$(約150円)もした。やはり弁当のおかずは、自分で作らねばなるまい。(笑) 今度ニジマスを釣ったら、塩を振って保存が利くようにして、塩ジャケ弁当にしてみようか? 鰹節でオカカ弁当という手もあるが、なにせ削り節が小さな袋一つで600円程もするのでそうそうオカカばかり食べられないのである。(;;)

 午後は図書館で文献探し。カナダの水産学会誌は、めちゃめちゃ面白い論文が多数ある。英語論文がすらすら斜めに読めるようになりたい。

 明日は晴れていたら洗濯したい。一人モノの、選択ならぬ必修科目である。(笑)

7/28(SAT)

 午前中は、515の試験対策で文献を読む。洗濯をしながら、ノートを取りつつ、訥々と読んで行く。基本的な語彙が欠落しているので苦労することこの上ない。

 午後は、新しく立ち上げる準備をしている魚道のホームページの編集を行う。

 4時から、N君、SさんといっしょにTさんの邸宅におじゃまして、薪割りを手伝う。夜は、Tさんの関西風お好み焼きと、奥さんのA子さんの金時豆をごちそうになる。久しぶりに斧を振り回したらちょと疲れた。しかしTさんちのお子さんたちの元気のいいのには感動した。

7/29(SUN)

 なにかぱっとしない天気の日曜であった。再び515の論文を読み、昼ご飯は野菜たっぷりのラーメンを作る。

 部屋が冷えて足が冷たいので、湯たんぽをタオルでくるんで机の下に置く。快適。ズカンソクネツである。あまりやりすぎると水虫になるかな?

 夕食後、ニュージーランド環境省の、環境判定指標プログラム(EnvironmentPerformanceIndicatorsProgram)についてのドラフトを読む。このドラフトは、公示後、約半年間をかけて様々な関連機関、団体、個人から意見を募るようになっている。冒頭と巻末には、担当部署の連絡先、担当者の氏名、e-mailアドレスが明記してある。

 こうでなくてはならない。

 日本のお役所も、いろいろなところがホームページを立ち上げているが、連絡先のe-mailアドレスが表示されているサイトは少ない。

 ウイルス対策のためか? そんなことはあるまい。一般国民からの声を聞く窓を閉ざしているだけなのだろう。

 話は変わって。

 国立情報学研究所  www.nii.ac.jp/

 という機関があるのですが、そこでは国内の学術論文を検索できるデータベース http://research.nii.ac.jp/index.html 

が整備されています。国内の大学図書館、学術団体などが作成した索引情報を収集・統括して管理しており、利用したい人が、

 何らかの学術団体の会員であり、

 利用料を払うことによって、

 この検索サービスを利用することができるそうです。

 これって何かおかしいのではないでしょうか? 国民の税金で運用されている機関が、各地の図書館・学術団体の協力を得て整備したデータベースの情報を、なぜ、国民すべてに提供しないのでしょうか?

 ちなみに、よくある質問への回答コーナーには、以下のような文面も見られます。

---------------------------------------------------

Q6:大学の学部学生ですか,利用可能でしょうか?

A6:本研究所の利用資格は,大学院学生以上となっておりますので,学部学生の方はご利用いただけません。

Q8:海外の大学院に学生として在籍していますが,利用可能でしょうか?

A8:海外の大学院学生は,利用者に該当しません。

----------------------------------------------------

 文部科学省の官僚は、大学の学部生には、勉強しないで欲しいのだろうか?

 また、これだけ国際化、国際化と騒いでおきながら、海外の大学生には、それが日本人だろうと外国人だろうと、あのデータベースは利用させないつもりなのだろうか?

 この仕打ちはあまりにもヒドイ。海外から日本の文化や技術を学びたいと思っている人たちが大勢いたとしても、だれもこのデータベースを利用できないではないか! 

 例えば、奥の細道・松尾芭蕉を研究したいタンザニアの学部生がいたとして、日本語入力ソフトを買って、苦労してそのソフトの使い方を覚えて、ようやく

    国立情報学研究所 

 のホームページにアクセスしたあげく、この文面を読んだら、どんな気持ちになるだろう?

 今から小泉首相と遠山文部科学大臣に電子メールを書くことにします。

ちなみに下記は、小泉首相のメールマガジンに掲載されている、遠山大臣の談話です。

-------------------------------------------

[大臣のほんねとーく] 

● 学校が良くなり、教育が変わる(遠山文部科学大臣)

教育は、どの国にとっても国の最重要課題の一つです。サミットでも近年教育の問題が取り上げられるようになりました。

 かつて米国では、経済が停滞していた1980年代に、レーガン政権下で『危機に立つ国家』と題するベル教育長官のレポートが出されたことを契機に教育改革が進み、今日の繁栄につながりました。

 また英国でも、サッチャー政権に始まり現ブレア政権でも「優先課題は3つある。一に教育、二に教育、三に教育」として強力に教育改革を進めています。私は先週16日にホッジ教育担当大臣と会い、両国の教育改革の動向などについて意見を交わして来ましたが、問題意識には共通する部分も多く大変有意義な会談でありました。

 このように各国とも、国の命運を賭けて教育改革に取り組んでいるのが世界の趨勢です。

 そして日本でも、小泉総理が、最初の所信表明演説で「米百俵」の精神の大切さを説かれ、また国会でも幕末の儒学者、佐藤一斎の「少(わか)くして学べば壮にして為すあり。壮にして学べば老いて衰えず。老にして学べば死して朽ちず」という言葉を引用して答弁されるなど、教育を大変重視する姿勢を率先して示して下さっています。

 「教育は国家百年の計」と言いますが、21世紀の初めに当たり、わが国でも、新しい時代にふさわしい教育を実現するための改革を力強く進めていきたいと考えています。

 教育改革の目標は、『21世紀教育新生プラン』の着実な実現です。

 このプランは、今年の1月に「学校が良くなる、教育が変わる」ための教育改革の全体像を示すものとして策定したものですが、前国会で教育改革関連6法を成立させていただいたことによって、大きく前進させることができました。

新しい時代に生きる子どもたちのために、私が特に力を入れて取り組みたいと考えているのは、「心の教育」の充実と「真の学力」の向上です。この2つは、決して別々の問題ではなく、密接に関わり合っています。

 今の子どもたちは、概して、自分に自信が持てない、やりたいことが見つからない、自己実現の喜びを味わう機会が少ない、と言われます。

 子どもたちのやる気を引き出し、良い点を伸ばすことによって、単なる知識の詰め込みではなく、基礎・基本をきちんと身に付け「自ら考える力」を育み、すべての子どもたちが、のびのびと多様な個性を発揮できるような社会を目指したいと考えています。

 そのためにも、私たち大人の一人ひとりが教育改革を自らの問題として、学校を見守り、支え、教育を変えるべく一歩を踏み出したいものです。

 上記データベースの申込用紙には、所属機関、役職、または

身分

 を書くようになっている。

 遠くニュージーランドで学んでいる中年の大学院生は、祖国の文部大臣の談話に、いたく傷つけられるのであった。

 7/30(MON)

 えらく暖かい月曜日の朝。ちょっと曇り気味であったが自転車で大学へ。バタバタと段取りをしているウチに、10時となり、ジムといっしょにカフェに行き、朝のお茶を楽しむ。

 魚類生理学のニック教授、技官のガヴィンさんとクリスさん、同じく植物学研究室の技官のキャサリンさん、温室の管理者のマーガレットさんなどと、大勢でテーブルを囲み、思い思いのお茶とおやつをいただく。このカフェでは、大学院生とスタッフ、教官は、タダでコーヒーが飲めるのである。

 文献を調べつつ、実験水路の設計を行う。来月一杯で水路を完成させ、試運転を行い、9月からの魚を用いた実験に備えなければならない。

 これから輪をかけて忙しくなりそうである。

 夜、スパゲティの茹でたて+マヨネーズ+削り節+醤油という夕食を楽しむ。サラダも美味しい。幸せのひととき。

7/31(TUE)

 午後、515の授業で、期末テストの問題解説があった。例によって手強いだろうと思う。

 続くNorm氏の講義では、地球環境全体を見通しての、持続可能な発展 の意義が説明された。深く頷きつつ拝聴する。

 講義が終わって、いろいろ質問をしていると、先日のレポートの話になり、私が出題の意図を限定して解釈してしまったことを知らされる。また、文化的背景の違いから、もっと批判的な視点で他の人の論文、データを見ることを指摘された。いちいち納得できるのだが、かなり落ち込んだ。

 どっと疲れが出る。7月も終わった。あああああ。歳月人を待たず。


留学日誌   目次へ

サイトマップ

ホームへ

お問い合わせ

↑ TOP