釣行日誌 故郷編
2004/08/14 少年の夏、初めての1尾
釣友の木俣さんが、夏休みで遊びに来た。長男のアキ君は、我が家に着くなり川へ行こうとせがむ。久しぶりのあいさつもそこそこに、木俣さんの車で大千瀬川の蔦の淵へと向かう。
アキ君は得意のブラックバス釣りのスピニングタックルと重いスプーンで蔦の淵の大アマゴに挑む。木俣さんは名人技のフライで瀬のカワムツを狙う。4-5番のロッドから、見事なループのラインが繰り出される。
夕暮れが近くなる頃、そこここでライズが始まったので、アキ君がお父さんのフライタックルを借りてカワムツを狙うことにした。お父さんはルアーに交代し、ものすごく深い淵の流れ込みを狙うのだ。
アキ君は今日初めてフライロッドを握る。数回のフォルスキャストはいいのだが、最後のフィニッシュでどうしてもラインが失速してしまう。そこで僕は、ロールキャストのピックアップと2回目のキャストでのフィニッシュを教えてあげた。きれいに伸びたラインの先で、ぴしゃっとライズが起こる。すかさず合わせたアキ君のロッドに、やんちゃなカワムツがのった。
小学5年生の夏、ここに一人のフライフィッシャーマンが誕生した。今日の1尾のカワムツは、これから、長く続くアキ君のフライ釣り人生のスタートラインとなった。
2004/08/18