自作の道具たち  大型イワナ専用体長測定用メジャー
         (非実用的・非推奨)

2021/10/15

 叔父がまた、例によって例のごとく、

『どこやらの川では、いつやらの時期に、大物イワナが下流から遡上して来る......。女房とドライブがてら行って弁当を食べていたら、確かに大きな魚影を見たから間違いはない!』

 と言うので、次の週末に行ってみようと、相談がまとまった。

 これまで幾度となく、痛い目とまでは言えないものの、まったくの空振りに終わってばかりなので、このテの釣行には、あまり期待はしていなかった。

 ところが、である。

 行きつけのホームセンターをブラブラしていたら、Panasonic ブランドの樹脂製雨どい(あまどい)が目に入った。

『!!!』

 ひょっとして、これを使えば、魚にダメージを与えず、逃げられることもなく、速やかに大物イワナの体長を測り、撮影してからリリースすることができるのでは? とヒラめいた。(笑)

 いつだったか、まぐれで 40cm オーバー? というイワナが掛かり、ネットでランディングしたのだが、フックを外そうとジタバタしているスキに逃げられ、写真も撮せず、サイズも分からずに終わってしまい、苦汁をなめさせられたことがあったのだ。

 加工サービスコーナーのおじさんに、よせば良いのについ欲張って、180cm の雨どいを「60cm」3本にカットして下さいと、お願いする。40cm もあれば充分なのだが.....。

 帰り道、これまたいつもの百円ショップに寄って、テープメジャーを買う。

材料および工具

  1. 樹脂製雨どい
    作例では、断面が半円形ですが、もう少し幅のある浅いU字型、あるいは浅い角形の方が良いでしょう。Panasonic の雨どいは幅が狭いので、細長い体型の魚、例えばイワナ、ナマズ、ウナギ、雷魚、タチウオ、ヤツメウナギ、くらいにしか通用しそうにありません。(泣)
  2. 雨どいに適合した端部のフタ?
    雨どい売り場の近くに置いてあるはずです。作例では、リリースする時に魚がスムーズに出て行けるように、片方だけフタをしました。
  3. テープメジャー(百円ショップ)
  4. クリアボンド
  5. 透明厚手ガムテープ
  6. 電動ドリル(もしくは太めのクギ・ペンチ・百円ライター/ローソク)
  7. 金属製小型カラビナ(百円ショップ)
  8. プラスチック製タイバンド(やや太めで丈夫なもの、百円ショップ)

製作方法

  1. 適当な雨どいを選び、ホームセンターで切断加工してもらう。長さはお好みで。(笑) 車で運べて、切断工具がある方は、ご自分でどうぞ。
     長ければ当然大型魚にも対応できますが、渓流釣りの場合、携行がとても面倒になります。ボートでの釣り、あるいは堤防などで居座って釣るのであれば、いくら長くてもOKです。
  2. カットした雨どいの端部に、クリアボンドでフタを接着します
  3. テープメジャーを、フタの垂直面にゼロ点が来るように位置決めして、クリアボンドで、雨どいの中心線に沿って貼り付けます。
    テープメジャーを、フタの垂直面にゼロ点が来るように位置決めして、クリアボンドで、雨どいの中心線に沿って貼り付けます。
  4. テープメジャーが剥がれないよう、傷つかないよう、厚手の透明ガムテープを全長に渡って上から貼ります
    テープメジャーが剥がれないよう、傷つかないよう、厚手の透明ガムテープを全長に渡って上から貼ります
  5. 雨どいのフタをした方の端部側面に、携行用カラビナを保持するための穴を開けます。ドリルのある方は、適当な太さのドリルで加工して下さい。ドリルをお持ちでない方は、太めのクギをペンチで保持してライターで熱し、充分熱くなったら雨どいの樹脂に突き立てて穴を開けます。おそらく1回では開かないので何度か繰り返し作業して下さい。
  6. 穴が開いたら、タイバンドを通し、そこに金属製カラビナを固定します。
    穴が開いたら、タイバンドを通し、そこに金属製カラビナを固定します。

 渓流釣りの川歩きで携行する場合、ベルトにカラビナを通すか、デイパックに結わえ付けます。

 実際の使用時には、大型のランディングネットと併用して、まず魚をネットにすくい入れます。次に、ネットの中に雨どいメジャーの「ゼロ点:フタを付けた側」を差し入れ、濡らしてから、おもむろに魚の頭部をゼロ点に向けて、メジャーの中に入れます。しばらく魚を休ませ、静かになったら、ネットの外に出して撮影します。(なんて、できたらいいな.....)

 この物体をブラブラさせながら歩いている途中、出くわした他の釣り人、あるいは地元の方に

「いったいそれは何ですか?」

 と聞かれた時のために、それらしい言い訳を考えておいて下さい。

例:「山芋が掘れたら、長さを測るためです.....」

 ボート釣りで使うのなら、言い訳は必要ないですね。(笑)

 で、この魚の体長測定用メジャーには元ネタがありまして、NZ留学中、現地調査に行った時、研究室の備品に大型魚と小型魚、それぞれに適したサイズの木製メジャーを使ったことがあったのです。大型魚用には中央にちょうつがいがあり、折り畳めるようになっていました。しかし、いかんんせん木製では重すぎるので、今回は樹脂製雨どいで作った次第です。 いったい何を学びに行ったのか.....

大型魚用木製メジャーにてウナギの体長測定をしている、故ジム・バノン氏

大型魚用木製メジャーにてウナギの体長測定

小型魚用木製メジャーによる「イナンガ:ホワイトベイトの成魚」の体長測定

大型魚用木製メジャーによる
「イナンガ:ホワイトベイトの成魚」の体長測定

電気ショックを用いて魚類の捕獲作業をしている、ヒックス教授

電気ショックを用いて魚類を
捕獲、生息状況の調査をしている、ヒックス教授

 渓流釣りで実際に使ったとしたら、おそらくこんな感じでしょうか。

実際に使った時は、おそらくこんな感じでしょう。(イメージ写真)

使用時のイメージ写真

妄想は膨らむ.....

妄想は膨らむ.....

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