本棚から
留学に役立った本 ニュージーランドのミドルタウン
吉岡雅光 著 学文社 刊
ISBN 4-7620-0996-2
大学の図書館で、ニュージーランド、ハミルトンのことについてとても詳しく書かれた良い本、「ニュージーランドのミドルタウン」を見つけましたので、ご紹介します。
この本には、立正大学助教授の吉岡さんが、98年4月からハミルトンに一年間暮らした時の感想や、社会学的な考察を含めて幅広い切り口で、面白くしかもためになる内容がたくさん載っています。
目次からご紹介しますと、
1 アオテアロア、ニュージーランドという国
2 ワイカト川流れる公園都市ハミルトン
3 ハミルトンのライフスタイル
4 ニュージーランドの家族構成
5 「羊の国」の産業とフィールデイ
6 ハミルトンのプライマリースクール
7 キリスト教とハミルトンのクリスマス
8 バーグラリーと犯罪の現況
9 国会議員選挙とハミルトンの地方選挙
吉岡さんは、奥様と二人のお子さんとともに一年を過ごされたので、ハミルトンでの生活の様子、小学校での出来事、あるいは犯罪のことなど、これからニュージーランドを訪れたり、暮らしてみようと考えている人にとって、とても貴重な情報が詰まっています。
特に、地元の新聞から、まめに収集されたことがらが豊富に載っているので一般的な紹介本に無い、実感のある仕上がりになっていると思います。
中でも、ハミルトンのコミュニティペーパーである、City Weekend, 18/12/98 から引用された、犯罪対策、休暇中の窃盗防止に関する工夫は必見の項目です。
孫引きしますと、
○休暇中は新聞をキャンセルし、郵便受けを毎日片づけてくれる友人を持つ
○室内灯とラジオをタイマーにつなぎ、夕方になったら点くようにしておく
○もし誰かに頼めるなら、数日おきに明かりの位置を変え、異なる部屋の明かりを点ける
○カーテンとブラインドを閉めないこと。これらが閉まっていると、家に誰もいないことの証拠となってしまう
○隣人、友人、あるいは親戚の車をあなたの敷地の中に置いておくこと。物干しに洗濯物を掛けておいてもらうこと。芝生を刈ってもらうこと
○家に誰もいないことを示してしまう物品を、片づけること(例えば台所の干からびた雑巾)
○所定の収集日以外にゴミを外に置きっぱなしにしないこと。空のゴミ箱を、収集日以後に通りに置きっぱなしにしないこと。
また、自動車泥棒や強盗、その他の犯罪の多さも詳しく述べられています。
一般的な書店では目に付きにくい本かと思われます。大きな書店の社会学とか、海外都市の生活のコーナーで見つかるかも知れません。地元の図書館に購入を希望しても良いかと思います。
ニュージーランドの暮らしに興味ある方、これからニュージーランドで暮らしてみたい、という方は、ぜひ、ご一読下さい。