留学日誌
日本にいる間にできること
まずは、実際の英語のリスニングに慣れるために、テレビ映画の英語放送(副音声)で見ることはとても役に立つと思います。初めのうちはかなりつらいものがありますが、ひたすら慣れることが重要です。NHKやBBCのニュースを聞くことも良いでしょう。
また、スピーキングについてはNHK第2放送の各英語講座がとても充実していると思います。
語学学校での私の体験から思うに、日本の学生はライティング+文法についてはかなりのアドバンテージがあるようです。それに比較して、ヨーロッパ系、南米系の学生は、リスニングあるいはスピーキングが得意なようです。
これは、地理的特徴、英語教育の事情、そして会話の中に含まれる音声の複雑さの多少に関わっているのではないかと思います。(専門に言語学を学んだわけではないシロート考えですが)
日本語の発音は、あ、い、う、え、お......というように極めてはっきりしており、音の種類も英語より少ないと思います。種類も多く微妙に入り組んだ英語の発音を正確にマスターしておくと、スピーキング、リスニングともに上達が早いと思います。
そのためには、辞書で発音を学ぶときに絶対必要な発音記号と、それに基づく実際の発音をCD、テープ、などで繰り返し繰り返し練習してマスターしておくと良いでしょう。
(参照:肉体(顔面と口腔部)のトレーニングも重要)
単純なようですが、アルファベットの26文字、そして基本的な単語の発音を留学前にマスターしておくことはとても役立ちます。
日本の英語教育が、「文法」の習得に注いでいるエネルギーの10%でも正確な発音の習得に回せば事態はもっと改善されると思うのですが。
英会話の練習として、いろいろな絵、写真、図などを見て、その内容を英語で言ってみることは、自発的な会話力を付けるのにとても役立ちます。
例えば、カレンダーの写真を見て、
There is a beautiful beach.
The sand at the beach is very fine and flat.
A high cliff is over the beach.
Some trees thickly covered with leaves are on the cliff.
A woman wearing a basing suit is walking from over there.
I would like to go to such a nice place if I could get a long holiday.
などと、とにかく頭に浮かんだことを英語で言い続ける練習をしましょう。 ちなみに、ヨーロッパを中心に総合的な英語の実力を判定するための試験として認知されているケンブリッジ英語検定のスピーキングテストにおいては、提示された2枚の絵を見て、それらに何が描かれているかを述べ、比較した上で相違点、自分の好みなどを言うことが出題されます。
絵を見て話す練習をしたら、それを実生活に広げ、見ている光景や感じたことを英語で言ってみましょう。
The buses are always late.
I won't use that bus because I can't use my monthly bus ticket.
It will rain today.
Ryoko seems that she couldn't sleep well last night.
Subaru's new Impressa is so cool, but it is so expensive.
バスの中では少し躊躇しますが(笑)、人混みの中や歩いているときならけっこう独り言でブツブツ英語の練習をしていても気にされることはありません。
不規則動詞、比較級・最上級を復習しておくことは、すぐに取り組めてしかも効果が大きいと思います。このたぐいは基本的に理屈無しで丸暗記するしかありませんので。
現役の学生さんなら問題ないかも知れませんが、10年以上英語から遠ざかっていた私は、何を隠そう bad の最上級を baddest と書いてしまい、とても恥ずかしい思いをしました。
でもまぁ、「恥じる」ことそのものが日本人のメンタリティーであり欠点だと言われていますので、thick skin をまとって厚顔無恥を通すことにします。(笑)
これも現役の学生さんや若い人には問題ないと思いますが、速くてきれいな筆記体が書けることは大きな利点ですので、訓練しておいて損は無いでしょう。
特に、IELTSやケンブリッジ英語検定を受ける人には必須の訓練です。これらの試験には自筆のライティングがありますので。
英語を聞く、読む、あるいは話す、書く、これらの行動の最大の原動力は「自分の興味のあることについて」だと思います。
また、「好きこそものの上手なれ」とも言いますので、なにか自分の趣味、好きなこと、やりたいことを見つけてこれらを手がかりに英語に親しむことは、優れた動機付けの方法です。
私の場合、釣りを中心に人生が回っていますので(笑)、
朝、NZヘラルド紙をパラパラとめくるとき、
月曜日に教室で先週どんなことをしたかを話すとき、
テレビ番組を探すとき、
本屋をうろうろするとき、
浜で釣り道具を支度している人に会ったとき、
ふと、釣具店を見つけたとき
作文の宿題で「これまでで最もひどい旅の体験」を書くとき
など、あらゆる機会に釣りに関して聞く、読む、話す、書くに取り組みました。
なにか一つ趣味や特技があると、友達も早く見つかりますし、自分をぐいぐいとアピールしていけると思います。
一例ですが、クラスメートのヒトシ君は、その類い希なマフィン(お菓子)作りの才能によって、数週間のうちに学校じゅうにその名を知らしめました。
「芸は身を助ける」
自己紹介をする機会は思ったよりもたくさんあります。空港で、ホストファミリーとの生活の中で、学校生活の中で、フラット暮らしのおつきあいの中で、etc
自分に関するおおよそのことがらを、スムーズに言えるようにしておくことは、とっかかりの会話を始めると言う意味でとても大切だと思います。また、この時に私は釣りが好きです~とか、ロッククライミングに熱中しています~とか、自分を押し出してゆくとスムーズに会話に入れます。
ただ、コツとしては、自己紹介は丁寧な発音で、ゆっくりと行うのが良いと思います。最初から立て板に水でペラペラと自己紹介を始めると、
「あ、この人は英語がかなり話せるんだな!」
と思われて、そのあとの会話をネイティブスピーカーの普通の速度と内容で続けられて苦労します。(笑)