数字で見るニュージーランド (1)

turigu.com通信 ■  [Vol.37] 2002.7.17 より


 皆様、ニュージーランド北島のハミルトンからお届けします「君よ知るや南の国」です。

 ワイカト地方は冬まっただ中。相変わらず、雨が降ったり止んだりの天気が続いております。日本も梅雨のただ中で、雨が多いのでしょうか? 梅雨の末期の集中豪雨などで、被害が出なければ良いのですが。

 さて今回は、ちょっと趣向を変えて、「数字で見るニュージーランド」ということで、さまざまな統計データからニュージーランド(NZと略記)を見てみましょう。

 私が最初にニュージーランドを訪れたのは1997年でしたが、それまでは大きな鱒が釣れる国、という認識ぐらいであまりこの国のことをよく知りませんでした。皆様も、特に興味のある方以外は、あまりご存じでないかと想像します。うちの伯父などは、ニュージーランド出発間際に電話を掛けてきて、

「あっちは寒いから、防寒着をしっかり持ったか?」

と聞いてくれました。私が、釣り用の防寒着をたくさん持ったから大丈夫と答えると、

「それならいいが、グリーンランドはかなり寒いようだから気を付けろよ」

と、ありがたい忠告をしてくれました。(笑) また、故郷の同級生とたまに国際電話で話すことがあるのですが、彼の御母堂は、

「剛君から電話だよ。今、ディズニーランドからだって」

 と言って取り次いでくれたことがあります。

 さて、数字で見るニュージーランドですが、比較のためにアメリカも加えて整理してゆきます。まずは面積から。

項目\国  N Z   日 本   アメリカ 
国土面積(平方キロ) 約27万 約38万 約981万
農地(国土面積との比) 52% 14% 45%
森林(国土面積との比) 28% 67% 31%
主な自然保護区域 22% 7% 13%
排他的経済水域(km2) 約483万 約386万 約971万

 国土面積の比率で言えば、ニュージーランド:0.71、日本:1、アメリカ:25.8という関係になります。NZは日本から北海道と九州を除いたくらいの面積になります。

 さすがにNZは農業国だけあり、国土の約半分、52%が農地となっています。私の住んでいるワイカト地方では、行けども行けども見えるのは牧草地ばかりであり、農地の多さが実感できます。

 上の比較で意外に思えるのが、ニュージーランドの森林面積の少なさです。ニュージーランドは古くからポリネシア系、続くヨーロッパ系移住者により、森林を伐採して農地・牧場に変えてきた歴史があるため、国土の大部分が牧草地になっています。森林面積から植林地を除くと、ニュージーランドの原生林は20%ほどとなります。

 次は人口です。

項目\国  N Z   日 本   アメリカ 
総人口(百万人、'95年度)  3.6 125.3 263.1
人口密度(km2当たり) 13人 332人 28人
都市圏の人口(総人口%) 86% 78% 76%

 いろいろな意味でニュージーランドという国を特徴づけているのが人口の少なさでしょう。面積は日本の70%ほどあるのに、人口では約3%弱の360万人しかないのですから。人口密度の比率はニュージーランドを1とすると、日本は25となります。両国とも、総人口に対して同じ割合で釣り人が存在すると仮定すると、日本の釣り場はニュージーランドの25倍も混み合うことになります。

 先進的な自然環境保護政策、漁場・釣り場の管理機構の充実、国民の意識の高さ、など、ニュージーランドの釣りを素晴らしいものにしている要因はいくつも考えられるのですが、その根本は、絶対的な人口の少なさに依るところが大きいと、いつも感じさせられます。

 一方、NZにおいて、都市圏に住んでいる人々の割合が多いことも、意外な事実と言えます。NZの大都市としては、北島のオークランド、ハミルトン、南島のクライストチャーチ、オタゴがあげられますが、これらの都市圏に住む人が全体の86%を占めており、日本・アメリカを大きく上回っています。都市圏へ人口が集中し、地方では過疎化が進んでいる傾向が、ニュージーランドでは特に強いと言えるでしょう。

 さて、次回は、タウポ湖へ遡上する大物鱒を狙ったフライフィッシングの様子をお届けします。「数字で見るニュージーランド」はおりにふれて、釣行が不振だったときに随時書いてみたいと思います。(笑)

 それでは、Good luck!


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