飛行日誌
Electra Glide モーターグライダー 自作
全長 | 790 mm |
全幅 | 1508 mm |
翼弦長 | 180 mm |
全備重量 | 800g |
主翼面積 | 25.6 dm2 |
翼面荷重 | 31.3g/dm2 |
主翼翼型 | NACA 6412 |
モ-タ- | Racerstar BR2826, 1290KV |
プロペラ | エアロノート 54059 CAM 折れプロペラ 9×5 |
バッテリ- | KEYPON 3S, 1300mAh, 107g, コネクタ含む |
サ-ボ | MG90S (13g)×2、エレベーター・ラダー、 後にエルロン付きの主翼を作り2個追加 |
受信機 | Futaba R3106GF (7.8g) |
アンプ | SKY WALKER 20A ESC |
設計・製作のきっかけ
もう20年以上前のキット、QRP製のモーターグライダー、その名も MOGRA という機体を飛ばしていたのだが、ちょっと初心者には高性能すぎて、反応がピーキーな所があり、多々墜落の憂き目に遭ってきた。そこで、もう少しマイルドな飛び方をするモデルを作りたいなと思った。それでまた、OUTER ZONE や、AeroFred のウェブサイトを探して、この Electraglide 62 というモーターグライダーを探し当てた。62 というのは 主翼のスパンが62 インチ=約157cm ということで、手頃な大きさだなと感じた。スタイルも洗練されており、高性能ソアラーみたいではないが、どことなく優雅で上品な印象だった。
今回の自作にあたっては、 CAD のフリーソフト「LibreCAD」を使いながら、それなりに正確な図面が書けた。(ただ、図面を書くことと製作技術とはまったく別の問題.....だった。)
製作メモ
主翼
オリジナルの主翼はほぼ Clark-Y の類似形だと思われたが、またいらぬ欲を出して、昔の自作機 NORA-400 で使った NACA 6412 を使うことに決めた。アンダーキャンバーが付いていて、高揚力が得られると聞きかじっていたのだ。
主翼の構造は、オリジナルでは非常に簡素で軽く設計されているのだが、誰かさんの操縦技量では墜落・衝突の多発が予想されたので、ムサシノ方式の D-ボックス構造とし、頑丈に作った。
胴体
オリジナルの設計では、胴体は全体にバルサを張るようになっていたが、これも独断で、多少は軽くなるかな?と、トラス構造にした。愛嬌のある丸みを帯びた機首部分の作り込みが少々難しかった。なにせこれまで角胴のモデルしか作ったことがないのだ。(笑)
いざ作ってみると、胴体の幅が思ったより狭く、バッテリーやサーボの積み込みが意外とタイトになって苦労した。ランディング・ギヤは、スカイカンガルーにならって単車輪方式とした。
フライト・インプレッション
初フライト
2023年4月、やや雲の多い日、ホンダのリトルカブの荷台にコンテナボックスをくくり付け、そこに胴体と必要な用具を入れ、側面にマジックテープでキャンプに使う銀色の保温マットでくるんだ主翼を固定した。クラブの飛行場に向かう。デイパックに主翼をくくり付けて運んだときよりも、ぐっと安定性が増した。
河川敷について、ウィンドソックスを立てる。初心者には嬉しいほとんど無風状態である。
主翼をセットし、バッテリーを積み、重心位置を確かめて、いよいよ初飛行。手投げで発進させるとスーッと上昇して行く。ちょっと頭上げの傾向が激しいのでスロットルを下げ加減にする。今度は左に旋回を始め、ほとんどダッチロール状態。慌てて1分くらいで急遽着陸させた。
なんじゃ?あの飛びっぷりは? といぶかしがりながら主翼をよく見てみると、右半分が若干ねじれており翼端の迎え角が強くなっている。思い出してみると、右主翼下面の組立て時に、全部の部品がピンで作業台にしっかり固定されておらず、そこにプランクしてしまったのが原因らしかった。
そこで、インターネットで修正方法を調べると、すでにフィルムを貼ってしまった場合には、片方の主翼をしっかり押さえておいて、ヒートガンか強力ヘアードライヤーでまんべんなく熱しつつ、徐々に反対方向にひねって冷やすと良い.....と書かれていた。試してみると、わずかに修正できたものの、完全にはねじれが取れなかった。
その後、あらかじめ右主翼のねじれを打ち消すようラダーのトリムを調整し、だましだまし飛ばすと、何とか飛ぶようにはなった。
そこで、こんなこともあろうかと、オリジナルでは主翼の翼弦長が 180mm だったのだが、200mm までなら取り付けられるように作っておいたので、それこそ20年前のムサシノ模型飛行機研究所の名機「スカイカンガルー」の主翼を取り付けてみた。すると、驚くほど安定して上昇し、快適に良く飛んだ! やはりプロの作った機体はすごいなぁと感心させられた。
現在は、NAVION と使い回しのできるエルロン付きの主翼も作って、エルロン機のキビキビした飛び具合にも満足している。「Electraglide 62」の設計者、Jim Zarembski 氏に感謝したい。
最後に、拙い図面の画像と、DXFファイル(ZIP圧縮形式)を載せておきます。ご興味のある方はどうぞ。