父の釣り口伝
主な登場人物
この話に出てくる主な登場人物を紹介します。
おれ: 伊藤肇、この物語の語り手。
初めて魚を釣ってから六十有余年。数々の武勇伝を今に伝える。
親父: 伊藤文三、肇の父。無類の釣り好きにして明治生まれの頑固な親父。
戦前は名古屋にあったフォード尾張支店、住宅営団などに勤務。
戦争の激化により故郷の愛知県北設楽郡東栄町に疎開する。
おふくろ: 伊藤 みな: 文三の妻。八人の子どもを育てた良妻にして賢母。
博学であり日常生活を数多くの苦労と工夫で乗り切った。
勝: 文三の次男。性格はおとなしく、あまり釣り好きではなかった。
進: 文三の三男。けんかやいたずらなど数々の逸話を残す。
現在は釣り船を所有し浜名湖方面から外洋まで釣りに出かける。
収: 文三の四男。幼少期の放浪癖を今に伝える。
若い頃はウナギ釣りを得意とし、現在はハチ追いを趣味とする。
ユキ: 肇の妻。みなと同じ東栄町古戸(ふっと)の出身。
無類の働き者。料理の名人。
憲: 肇の長男。若い頃は渓流のルアー釣り、てんから釣りに血道をあげる。
今はアユ釣りの名人。鉄道会社勤務。
洋: 肇の二男。若い頃は渓流のフライフィッシングに血道をあげる。
今はアユ釣りと海のルアー釣りの名人。腕のいい大工でもある。
お前: 伊藤剛、肇の三男。この物語の聞き手。
渓流のてんから、フライ釣りを得意とするが、実力は兄達に遠く及ばず。
伊藤家の家系図
伊藤五十五郎
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|----伊藤文三
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京 |
|-----肇、勝、進、収、敬、京子、滋、豊
中原 長四郎 | |
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|----み な |
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たき |-----憲、洋、剛
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伊藤藤吉 |
|----ユキエ
きん