父の釣り口伝
アユ釣りの夏に その11 ヤナ場こぼれ話
それでさあ、今はみんな知らんもんだで、ヤナ場なんちゅう所へ行ってよう、アユが落ちてきたなんてみんな拾っておるだけど、アユなんちゅうものはあんな平水(通常の水量の時)には絶対川を下ってこんでなあ。おれはちゃんと知っとるだ。
あれにはシカケがあってなあ、ここにヤナがあるとすると、そっから七、八メートル上流になあ、こんな塩ビのパイプが入っておるだ。で、こっちの岸の方からひとりあたま3尾なんて入れてやるとなあ、そのパイプからアユが出てくる。それでタンクの中で泳いどったやつだもんで、あれあれという間に流れ落ちてヤナへ入るんだ。(笑)
--足助のヤナはよう、そのパイプがえんえんと見えておるでいかんわ。(笑)
そーんなことをしちゃあいかんわ、そりゃ。(笑)
おれが行った所のヤナはおれが見ておったら気が付いただい。そんな見えておってはアコギだわなぁ。いくらなんでも川底へ埋めておかにゃあ。